第4降

 三儀は、闇にとらわれた転人を目の当たりにし、そして、NOQSでの一部始終を願石から聞いて、後悔こうかいし、絶望ぜつぼうする。


 それは「家族を取り戻すという目的が果たせなくなったから」ではなく、「転人を闇へとおとしてしまったから」だった。


 三儀と転人の出会いは、ずいぶんと昔のこと。

 株式会社NOQSに、転人と巻菜が訪れたときに、一緒に遊んだことがあった。

 そのときに、三儀は巻菜と仲よくなり、転人に優しくしてもらったのだった。


 三儀は、そんな転人に、闇へとおとしてしまうかもしれないとわかった上で、助けを求めたのだった。

 その覚悟はしていたつもりなのに、どうしても転人のことを考えてしまっていた。


 三儀は、白主を倒すことができなかった転人に引導いんどうを渡すため、転人にダイスダウンを申しこむ。

 転人は、それを無気力に受ける。


 転人は、三儀の攻撃を避けようともせず、むしろ負けようとしていた。

 三儀は、そんな転人に声を荒げる。


 そして三儀は、願石から借りたダイス『ROCK』と浮梨から借りたダイス『ATMアトム』を使い、転人の闇をはらい、心の扉を開けようとする。


 転人は、そんな三儀の心の声を聞くことができ、自分自身を取り戻すことができた。

 三儀は転人に「巻菜のために自分を捨てるな」という“命令下しディレクティング”をし、転人はそれを受け入れた。


 一ノ目高校に戻り、転人は浮梨に礼を言う。

 それは浮梨が、三儀にダイスを貸しただけでなく、『ATM』の“役目負いキャスティング”にも力を貸していたからだった。


 浮梨は転人に「これからどうするのか」という問いを投げかけるが、そのとき、白主からダイスダウン大会の開催通知が届いた。

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