第2降

 一ノ目いちのめ高校の生徒会長である春叶はるかな浮梨ふわりは、転人と願石の件を聞き、三儀と“世界をひっくり返せるダイス”――『DOGドッグ』を守ると約束する。


 そして三儀は、春叶浮梨の妹『春叶玉子たまこ』となり、身分をいつわって一ノ目高校に在籍ざいせきすることになった。


 三儀は転人たちに、転人のもとへと来た理由を話す。


 日々おかしくなっていく父、白主と、姉の一位いちい二王におうのこと。

 父の起こした“黒いサイヤク”と呼ばれている事件をきっかけに、家族が完全に崩壊ほうかいしたこと。


 そして三儀は、父や姉に起きていることを知るために、父のもとをたずねた。

 しかし、そこには満身まんしん創痍そういの二王がいて、二王は白主によって蹂躙じゅうりんされていた。

 それを目にした三儀は、ただ逃げ出すことしかできず、転人に助けを求めたのだった。


 浮梨はそんな三儀のため、転人に白主直属ちょくぞくの首絞役員にならないかと提案ていあんする。


 転人は三儀の話を聞き、最愛の妹である巻菜のことを思い出していた。


 巻菜は、“黒いサイヤク”で起こった黒い炎に飲まれて、この世から消えた。

 そして、三儀も同じように、“黒いサイヤク”の炎に飲まれたと話した。


 それはつまり、巻菜も三儀と同じように、まだどこかで生きているかもしれないということだった。


 だから転人は、浮梨の提案をのんだ。

 首絞役員になれば白主に近づくことができ、妹のことを知ることができるかもしれないと考えたからだった。


 転人は首絞役員となり、初仕事として、許可なく“役目負いキャスティング”を行った生徒への指導しどうを行うことになった。


 転人は、指導の相手である魚井うおいちかとダイスダウンを始める。


 魚井は、ダイス『WINGウィング』を“役目負いキャスティング”させ、風と羽根の攻撃をくり出す。

 転人も『DOG』を犬へと“役目負いキャスティング”させて、その攻撃もろとも『WING』をたたせ、勝利をおさめた。

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