三角関係

花月姫恋

君と彼に揺れて

色恋なんて興味ない

シャットダウンしていた私の心

はまり続けた⒉5次元

もう、現実なんて

そんな想いは泡のように消え去った


高校の入学式

私の心は浮き立つ

前の席の大人びた君

マスクをつけた君

中学時代の好きだった先輩に似ている君

そんな君に惹かれた私

これからどんなことが待っているだろうと

少し期待していた



それから数日

君は私を覚えてくれた

名前も漢字も

隣じゃないとどこか寂しがる私

君ばかり追ってしまう私の目

どうしてしまったのかな



その後

誘われたバスケ部のマネージャー

今のところ誰もいない

周りから言われた

モテるという言葉

私はメンクイじゃないと

告げた冷ややかな発言

その後の君の行動

机に拳を叩きつけた

なぜと聞きたい私の欲望

そこから変わりだす運命の歯車



決意

その次の週

マネージャーに入った私

その仕事は結構楽しくて

やりがいがあった

チラリと見える君のシュートした姿

かっこよすぎてにやけそう

この幸せがずっと続けば

そう思っていたはずなのに

私の体は限界を迎える



また次の週

アタマが痛いあの月曜日

思い出したくない先輩とのいざこざ

もうやめてしまおうか

本当に思ったあの時の私

縁を切った私

バスケ部という集団と

それから君は

クラスの何人かの女子に群がり

今を過ごしていく

近くに君を思っている私がいるのに


それからの日々

あの日からまともに話せなくなった君

それを埋めるかのように

ラインし続ける

クラスメイトの男子

その彼もバスケ部員

その彼を利用し

彼のことを聞き出す最低な私

その彼は人と話すのが苦手で

私が話し相手になると言うと

嬉しがってくれた

その彼はまた私と同じ数学が得意で

話そうと思えば話せるなと

心の奥から思っていた

それでもまともに話せない

元マネージャーという過去

もしかしたらならない方がと

思ってしまった後悔

もう消せやしない



告白

六月の終わり 満月の夜

君に送った 月が綺麗ですね

その意味はあなたが好きです

知っているだろうと油断したあの時

だが、知らなかった

今日は満月

返ってきた返信

少しショック

それとは裏腹に久しぶりのまともな返信

空返事ではないあの言葉

少しだけ希望が持てた


軽率な真似

聞こうと思った

月が綺麗ですね

どのくらい知っているのかと

君は知っているのかと

あの彼に

彼は相変わらず、聞いてくれたらしくて

少し嬉しかった

でも、やはり知らないらしい



三角関係

唐突にきた

I Love you.

俺はお前が好きなんだよね

初めはよくわからずにいた

後から来た

付き合いたいです

崩壊する私の涙腺

止まらない涙

どうすればいいかわからず

男友達にライン

軽く返って来た

付き合えばいいじゃん

報告した後の

優しく断ればいい

関係が崩れるのが嫌で

決められなかったその日



次の日

家を出る前

切ってしまった指

止まらない血の波

恐怖に見舞われた世界

絶望しかない

怯えてたその日の一日

正気に戻った午後

その時にはもう

忘れていた恋心

そのまま付き合えるだろうと

受け入れた彼との交際

このまま忘れてしまえばいい

そんなことを思っていたのに


今現在

忘れられない君のこと

頭から離れない

溢れてくる涙

もう戻れない

別れたくない彼

どうすればいい

誰か教えてくれ

この指の傷とともに

君を忘れる方法を






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三角関係 花月姫恋 @himekaren

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