なんかファンタジーな世界になったけど、自分はすぐに死にました
月光夜
プロローグ 変わった世界
俺・・・
なんで鎖に繋がれているかって?そんなの俺の方が知りたい!気がついたらこうなってたんだよ!
俺はただの地味男として暮らしてた高校生だ。
犯罪を犯してもいないし、誰かに恨まれる事もしていない。
いや、確かにマスクと前髪で素顔が見えないし、多少学校では演技をしていたが・・・
・・・と、とにかく、俺は鎖に繋がれる事はしていないぞ?
取り敢えず、今日の出来事を思い出してみるか。
確か、俺は目覚ましの音で起き、いつも通り前髪で目元を隠し制服に着替えた。
その後は朝ご飯を食べた。両親はいないので自分で作った。
その時ニュースを見ようとテレビの電源をつけたけど、どうやっても砂嵐しか映らなかったなかったんだよなぁ。故障かと思ったが・・・
で、俺は家を出て学校へと向かった。家と俺が通ってる高校が近いから、歩いて10分もかからない。
登校中、空き地が何故か豪華な門が建っていた。門の中に階段があり、地下へと続いている。
一瞬ハァ!?と思って二度見するも変わらず。通り過ぎようとしたその時、
「ウヴォアァァ・・・」
うめき声をあげながら、門の中の階段からゾンビにツノを生やした様な連中が出てきた。一部刃物を持った奴もいた。
ゾンビ達はかな〜り見た目が気持ち悪く、腐敗臭がしたので物凄く鉄パイプでぶん殴りたい衝動に駆られたが何とか抑え、俺は回れ右して立ち去ろうとした。
しかしゾンビ達は一斉にこちらを向き、猛スピードで走ってきた。
「いや、ゾンビ滅茶苦茶速い!?ゾンビは遅いのがお約束だろうが!」
愚痴りながら走るも、ゾンビはジリジリと間を詰めてくる。
ただひたすら、走る、走る、走る・・・
幸い、走ってる方向には学校がある。ここら辺は住宅街だから店は余り無い。此処から一番近くて安全かつ逃げ込める所は学校くらいだろう。
曲がり角や抜け道を駆使しているものの、ゾンビは懲りずに追いかけてくる。
そして数分後、ようやく見えたのは・・・
先程見た門だった。
学校が近かった筈だが、ゾンビ達に追われている内に一周回ってきてしまったらしい。
「は?・・・・・って、早く逃げないと!?」
一周してきたのがショックで立ち止まってしまった。
すぐに走り出し、振り返る。
ゾンビの顔がすぐそこにあった。
気付いた時にはもう遅い。
俺は、
心臓の部分を突かれ、
死んだ。
俺はあの時、確かに死んだんだ。あのゾンビに心臓を突かれて、俺は確かに死んだんだ。
なら、何故こんな事になっている?
あの時、実は死なずに拉致されたのか、
それとも、死んでいて、此処はあの世なのか。
・・・まあ、考えても仕方がないか。
先ずは、状況の整理をしよう。
現在俺は鎖に繋がれている。
具体的に言うと、首、両手、両足に枷がつけられており、それら全てが鎖に繋がっている・・・計5本の鎖って、多くないか?
で、今着ている制服だが、もうボロボロで服としての役割を果たしていない。
そして何故か全身傷だらけ。結構深めの傷もあり、血が少し出ている。割と痛い。
次に周りを見渡す。
目の前には鉄格子があり、その先は何やら怪しげな薬や魔方陣っぽいものが置かれている。周りには誰もいないのか、とても静かだ。
鉄格子の内側は特に何もなかった。
そして、これからの目標。
この鎖をどうするか。
服と包帯の調達。
現状の把握。
これを目標にする。
・・・って言っても、どれも出来ないんだけどな。
というか、鉄格子の外がめっちゃファンタジーな感じがするんだが。
これって、小説で読んだ、転生した!とか、魔物が出る様になった!とか、ダンジョンが現れた!とかの状況じゃないよな?
もしかして、ステータスとかあったりして・・・・・って、
「え?」
目の前に半透明のボードが空中に現れ、そこには、
----------
名前 [設定してください]
種族 現霊鬼
職業 [設定してください]
Lv 1
HP 10/10
MP 10/10
攻撃 5
防御 3
敏捷 4
魔力 3
抵抗 2
SP 10
スキル
称号
【世界初の死亡者】
----------
と書かれていた。
なんかファンタジーな世界になったけど、自分はすぐに死にました 月光夜 @moonlight0910
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。なんかファンタジーな世界になったけど、自分はすぐに死にましたの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます