4話🍃接触と説得と協力要請

とにもかくにも、

まずは山南さんに会わなくては始まらない。


近藤さんに頼み、一君と三人で

会いに行ったのは

私が幕末こっちに来て三日目だった。


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『初めまして、一君の許嫁の

朝代絃羽と申します。


今日は山南さんにお話があって来ました』


私が未来から来たこと等を

簡単に説明してから本題に入った。


「それは不思議な体験をしましたね」


一君に笑いかけながら言った。


やつれてしました山南さんは

声にも笑顔にも覇気がない。


『甘いこととわかっていて

敢えて言わせて頂きます。


私は山南さんを脱走させたくありませし、

沖田さんに介錯なんて

辛い役目をさせたくありませ‼』


皆が幸せになんて、

この時代では

戯れざれごとだとわかっている。


それでも、現代未来から

来た者として、

歴史を変えたいと思ってしました。


泣きそうだった。


隣にいる一君が肩を抱いてくれた。


震えていることに

気付いてくれたんだろう(苦笑)


『俺も山南さんにはずっと

新撰組ここにいてほしいです』


身体が弱ってしまうと

ネガティブな思考におちいりやすい。


『本当は歴史を変えてしまうのは

よくないことなんでしょうけど

私が幕末こっちに来たことに

意味があるなら、これから起こるだろう

最悪なこと全てを防いでいきたいんです‼』


これは、本心だ。


幕末から明治にかけて、

“侍”は必要がなくなっていく。


そんな中でも、私は

これから先、起きたることを

悲しみも喜びも皆と一緒に

乗り越えていきたい。


「あなたは不思議な人だ。


わかりました、あなたが

現代未来に帰れる

その日まで

私も新撰組ここにいましょう」


ホッ。 よかった。


『ありがとうございます‼』


確かな言質げんちが取れた。


証人は近藤さんと一君だ。


これで、山南さんの脱走は未然に防げた。


だけど、問題はまだまだ山積みだから

山南さんにも協力してもらおうと思った。


博識な山南さんなら解決策を

見出だせるかも知れない。


これで、一つは回避できた。

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私と一君と 華愁 @ichhigopanda0303

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