第1話 壁(39p)
「良いんですよ。医院長は気に入ればどんな陶器でも買っちゃうんで。少し位割ったって分かりはしないですよ。このまま行くと陶器の博物館でも作りそうなので、どんどん割って下さい」
「いやっ、流石にそれは……でも、良いですね、趣味にお金を注ぎ込めるって」
しんみりそう言う私に、今西先生は「吉永様も大人になって稼ぐ様になればそうで来ますよ」と言った。
そうだ、私はまだ自分の事も自分で解決出来ない、ただの子供だ。
だから占い師のアドバイス何かでこんな所まで来てしまったのだ。
「早く大人になりたいです」
そう呟いて、私はカップに目を落とした。
カップの中の茶色い水面に自分の顔が映っている。
自分の顔は見れるのに……。
「大人なんて気が付いたらなってるものですよ。所で……」
i D @love7676-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。iの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます