第1話 壁(38p)
「お好きなんですね、陶器が。大丈夫ですよ。それ程高い物では有りませんから。逆に、安物をお出しして済みません。医院長が陶器が好きでして、僕は全然分らないのですが」
ウェッジウッドは確かにピンからキリまでだけれど、コレは良い物に違えなかった。
私の家にはワイルドストロベリーしかないので、本当に嬉しい。
私の気持ちは一気に華やいだ。
「こんな素敵なカップで紅茶を頂けるなんて、嬉しいです」
「紅茶は良いカップで飲むべきと言うのが白鳥さんの美学らしくて、それで医院長のコレクションをここで使っているんです。でも、前に、もう作っていないコレクションのアンティークカップでお客様に紅茶をお出ししたら、見事に真っ二つに割られてしまって」
ははっ、と今西先生が笑う。
「わっ、私は割らない様に気を付けます」
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