第7話 やはり妹は面倒である
ピリリリ...
「んっ...ふわぁ...」
はぁ、朝からしんどいな...昨日の園咲のアレは一体何だったのだろうか...まあそれよりも朝食だな。
ガチャ...
「...ふむふむ」ペラッ
「?」
こいつは朝からマンガ読んでるのか...。それも恋愛漫画か......。
「ほほ~これはいいねぇ~...」
「おい、時間」
「おっと、忘れてた!」
おいおい...。
「あっ、そうだ!ねぇねぇお兄ちゃん!」
「ん?どうした~?」
「お兄ちゃんって女の子に膝枕されたことある?」
「ぶっ!!」
...え、今なんて言ったんだこいつ!?まさか昨日の遊園地行った時にの.....まさか見られてたのか!?よりによって妹に見られたのか!?!?
「えっとなんと事かな...?」
「まあ、お兄ちゃんがそんなことされるわけないよね(笑)。だってお兄ちゃん今まで彼女すら出来たことないしね」クスクス
「ほらっ」ペラッ
「??」
ああなるほど...漫画の話か......それでその話を引っ張ってきて...。危うく自ら墓穴を掘るところだった..........はぁ。
「早く朝飯食べろよ~」
「うん!」
膝枕か...あの時のやつは一体何だったんだろうか..........。園咲には...聞かない方がいいか。
ガチャ...
朝飯も食ったことだし、このまま学校へ行くか。でも今日も自転車が重そうだ...そう、何故なら――
「~~♪」
「...おい」
こいつ送ってもらう気満々だな.........
「とうしたのお兄ちゃん?」
「あのな、たまには自分で行けよ...?」
「も~っ、ケチだねぇお兄ちゃんは...でもちゃんと送ってくれるよね?」ニコッ
「ぐっ...」
この顔は反則だろ...。
「さてと、ちゃんとタイヤの空気は入ってる?途中でパンクとかしないでよね、今日は凛音も乗ってるんだからね?」
「わかったよ...ってか今日はじゃなくて今日もだろうが」
「へへっ、あと今日の弁当は凛音が作ったからね!よかったねお兄ちゃん!コンビニ弁当じゃなくて!」
「...おう、ありがとな」
言い忘れてたが、こいつの名前は秋月凛音(あきづきりんね)。さっきでの会話を聞いていたらわかると思うが、俺の妹で高校1年である。
「それじゃ、学校へレッツゴー!!」
「はいはい」
――――
テクテク...
「そういえば、お兄ちゃん最近なんか女の子と一緒に帰ってなかった?実は見ちゃったんだよね~」
「見てたのか...」
まさか見られていたとは...多分椎名と俺が一緒に帰ってるところだろう。
「あれはその...部活の事で色々とな」
「ふ~ん」ニヤニヤ
なんでニヤけてんだよ...。
キィィ
「じゃあお兄ちゃん、凛音はここで!ありがとねお兄ちゃん!!」
「おう」
全く世話が焼ける妹だ...まあ俺が言えたことじゃないけどな。
「さてと、俺も学校に行くとしますか」
――――
ガララ...
「あっ、秋月君」
「おう園咲、おはよう」
「お、おはよう...」
「...」
「...」
なんかやりずらいなこの空気は...。
ポンポン
「ん?」クルッ
「ヅッキーおはよ~!」
椎名か...あの時のやつは椎名には見られてないんだよな..........見られてたら困るが。
「よぅ秋月」
「何だ霧野?」
こいつはクラスメイトの霧野夕希(きりのゆうき)。席が俺と近い為か、何故か俺に絡んでくるやつだ。まあ嫌ではないが、多少面倒でもあるのだ。
「なあなあ、お前今日なんか女の子と一緒に学校来てただろ?あれって誰なんだ?まさか彼女とか...?」ニヤニヤ
「ちげーよ。あれは俺の妹だよ...全く」
「ちぇっ、つまんねぇ...ってお前妹いたのか!?」
そんなに驚かんでもいいだろうが......。
「いや~見させてもらったけど、お前と違って美人だよな~お前の妹」
「はいはい...」
タッタッタッ...
「なになに?ヅッキーの妹って?聞きたい聞きたい!!」キラキラ
「秋月君の妹...ちょっと聞いてみたいわね」
「椎名に園咲さん、おはよー」
「それで、秋月君の妹さんってどんな人なの?」
「気になるー!私も教えて!!」
「いやーなんて言うか秋月とは性格がまるで違うというか...なんと言うか明るい感じだったな」
「...おいっ」
何言ってくれてんだこいつ..........。
「ねぇねぇ、今度ヅッキーの妹会ってみたいんだけどいい?」
「わ、私も...」
「...はいはい」
面倒なことにならなければいいがな...
――――
「やっと昼飯だ~腹減ったな~~」
よし、俺はいつもの所でたb...
「あ、あのー秋月君?」
「どうした園咲?」
「よかっならその...一緒にお昼どうかしら?」
「おう、わかった」
――――
「秋月君のお弁当、妹さんが作ったの?」
「ああ、そうだが」
凛音のやつ...またへんな弁当にしやがって...まあ味は上手いから許すが。
「あの、秋月君」
「どうした?」
「実はこの前の遊園地の事なのだけれど...」
「ぶっ!!」
おいおい、今ここでそれ言うか!?
「...ッ///」
「ごめん、やっぱりいいわ///」
顔真っ赤じゃねーか...。
「お、おう...///」
「あと、言っとくけど決して秋月君のためとかじゃないからねっ!!///」
誰の為でもないのにあんなことしたのか..........。
「わ、わかったよ...」
「あと、ちゃんと部活に来なさいよ」
――――
そして、放課後になり部活は特に依頼が無く、何事もなく終わったのだった。そして――
「やっと帰れるなー」
独り言を呟いていると、
「秋月君」
「ん?」クルッ
――――
「それじゃあまた明日」
「おう、気おつけて帰れよ園咲」
――――
ガチャ...
「ただいまー」
「あっ、お帰りお兄ちゃん!!今日のお弁当はどうだった?」
「ああ、美味かったよ。ありがとな凛音」ヨシヨシ
「へへ、ありがとお兄ちゃん♪」
ガチャ...
ボフッ...
「ふぅ...結局園咲からは何も聞けなかったか...」
まあ聞いても答えなかったかもしれないけどな......あいつの事だし、『別に秋月君の為じゃないからっ!!』って言われて終わりだろうな......
...................もしかしてツンデレ..........?
「......なわけないよなーハハハ...」
何やってんだろ俺......はぁ
俺の青春ヒロインは助っ人でした あまてら @Amatera
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