「近づいた者を全て背負い投げしてしまう」悲しい性をもった人の物語です。キテレツな設定も目を引きますが、それ以上にこの面白い設定を活かしきってちゃんと物語にしていることがスゴイです。
3話まで謎だった少年の動機も4,5話でちゃんと手がかりが提示され、読者に考える絶妙な余白を与えてきます。こういう謎すぎない、けれど読者が色々考え巡らす事が出来る絶妙な余白は、面白い物語を作る上で大事な要素の一つではないでしょうか。
特に素敵だと思ったのは3話後半の描写です。「切り株に腰掛ける」という動きと「木になった」という比喩がリンクしているのはすごく美しいと思いました。
全体的によく纏まっていて、魅力的な物語です。