第16話

 皆さん、お久しぶりです。今まで更新を途絶えさせ、本当に申し訳ございませんでした。

 出来ればこちらの近況ノートを読んでいただけると助かります。

 https://kakuyomu.jp/users/kumo_2259/news/1177354054889313609



 1話から全て推敲し直し、ちょこちょこ変わっているので、もし、久しぶりすぎて覚えてねぇわ!という方がいらっしゃいましたら1話から読んでみてください。


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 次の日。


 今日も今日とて走ろうと外に出ると、既にミアが待っていた。


「おはよう、じゃあ行くから」


「おはよう、ラン!今日から……ってはやっ!?少しぐらい話しても良くない!?」


 数十分後。


「おかえり」


「あ〜、もうつかれたよ〜」


「おいおい、今日はトレーニングしてくんだろ?」


「あー…、うん!そうだね!頑張らないと!」


「ああ、その意気だ」


 十数分後。


「ばたんきゅー」


「ちょっと先輩!?なにやってんですか!ミアちゃん倒れましたよ!?!?」


「へ? あ。」


「だ、だいじょーぶ……ガクッ」


「ちょ、私水持ってきますから待っててください!」


「あ、あ〜…なんかすまん…」


 次の日。


「おはよう!ラン!……なんでびっくりしてるのさ?」


「…いや、昨日あんなことになったんだからさすがに来ないかと」


「ふっ…私がそんなにやわに見える?」


「あー、そうだな。勘違いしてたかもしれない。じゃあ行くか!………昨日はすまんかった」


「今日のランきもちわるいね!」


「うるせぇ!ソフィアのやつに謝っとけって言われたんだよ!」


「きょうのランきもちわ……ちょ、速い速い速い!ごめんなさい〜!」


 数十分後。


「はぁ〜、疲れたよ〜」


「おかえりなさい、先輩、ミアちゃん。今日は私がしっかり見張ってますからね!」


「ああ、頼む」


「ありがとね!ソフィアちゃん!それはそうと私のこともミア先輩とかミアお姉ちゃんって呼んでくれても」


「はいいーち、にー、さーん」


 数分後


「へー、しっかり見た事なかったけど先輩のトレーニングって意外と一般的なんですね」


「何が意外とだ。俺は至って正常だぞ」


「どの口がほざいてるんですか。で、次は何をするんですか?」


「これを1000回」



「…ふふっ、なーに言ってんですか先輩。冗談にしても桁ひとつ少なくしましょうよ」


「……?お前が何言ってんだ?まあいいか。1,2,3,4,5,6,7…」


「はっや!いや先輩はっや!1回でも正常って主張してきたのが信じられませんよ!?」


「は?16,17…これくらい普通だろ。23,24…」


「先輩普通って知ってます?」


「いやそんな事言われてもだな…これくらい出来ないとなんも出来ないぞ?52,53…」


「そんなわけないじゃないですかアホですか…。ってかなんでペース上がってるんですか!?」


「あったまってきたから」


「もう私には分かりません…。それはともかく、せ「ソフィアちゃん…」んぱい、今日はあとどれくらいやるつもり「ソフィアちゃん…」あ。そういえばミアちゃんのこと…」


「ソフィアちゃん…ごめんね…オミズ、オネガイします……」


「あ、ミアちゃん?ミアちゃん!?あぁ…完全に忘れてましたすみません!今すぐ持ってきますね!!」


「253,254,255…」


 一週間後。


「おはよう」


「あぁ……、おはよう……、ラン……」


「よし、今日は休むぞ」


「え!?休んじゃうの?私まだまだ出来るよ!」


「アホか。自分の限界くらいちゃんと把握しとけ」


「けど……」


「じゃあ俺がもう限界だから今日は休むぞ。というかいつも週1回か2回は休んでるしな」


「えっ、そうなの?じゃあ今日は…ソフィアちゃんと遊ぼうかな!ソフィアちゃ〜ん!」


「……元気だなぁ」


 1ヶ月後。


「先輩、飲み物です」


「おお、すまん」


「はい、ミアちゃんも」


「はぁ……はぁ……ありが…とう」


「ミアちゃん、だいぶついてこれるようになりましたね」


「ああ、俺が思う年相応の体力にはなってきたな」


「先輩普通とか平均に対してじっくりしっかり考え直した方がいいですよ。これ言うのもn回目ですけど」


「そんな事言われてもだなぁ…」


 一年後。


「正直ここまでついてこれるとも飽きずに続けるとも思ってなかった」


「私も最初はここまでスパルタだとは思ってなかったよ!それにまだランの練習量の3分の1くらいしか…」


「あの変態先輩の3分の1も出来てるのがどれだけ凄いことかわかってます?」


「それに!2人といるととっても楽しいよ!だから続けられたと思う!」


「お、おう…」


「ふふ、私もミアちゃんとお話出来るのは楽しいですよ?」



 ーーそうしてミアが初めて家に来た日から2年が経った。


「おつかれさまです」


「おう」


「疲れた〜」


「そんなこと言いながら全然疲れてなさそうじゃないですか」


「えへへ、だいぶ慣れてきたからね」


 ミアはもう俺と同じとはいかないが、半分くらいはメニューをこなせるようになっていた。

 ただ、勘違いして欲しくないのは、あくまでも子供の体に合わせたトレーニングしかしてないという事だ。

 というか、そうじゃなかったら俺の体も壊れることになる。


「そういえば、もうすぐじゃないですか?」


「ん?何がだ?」


「えぇ…覚えててくださいよ先輩…。先輩とミアちゃん、あと4ヶ月くらいで入学ですよ」


「あ」


「ええ?ほんとに忘れてたんですか…」


「さすがにそれは覚えてようよ…」


 2人にものすごくガッカリした表情を向けられる。ムカつく。


「いや、覚えてたに決まってるだろ?ただ当たり前のことすぎてだな」


「はいはい分かりましたよ。にしても、魔法ですか。私も早く覚えてみたいもんですねぇ」


「ふっ、出遅れ組がよ」


「まあ、1年くらいのハンデないと先輩が可愛そうですしね」


「あ?やるか?」


「やりますか?じゃあ家の構造を地図で起こしてどちらが正確かを比べましょうか」


「…ミアもやっぱり魔法は楽しみか?」


「これは私の勝ちですね」


「あはは…。私はすっごく楽しみだよ!そのために頑張ってきたしね!」


「そうか、そうだな」


 1年前には直接言ったが、本当にここまでついてこれるとは思ってなかった。

 恐らくミアの中で魔法に対するなにか大きな思いがあるのだろう。


 それにしても、魔法か。うーん、派手な魔法とかぶっぱなしたり出来るんだろうか…。出来たら一回はやってみたいよな!街一つ消し飛ばすくらいの大魔法!ロマン!!


 なんて、やったら確実に生きにくくなるようなことを考えていると、ぽつりと冷たい感覚を頬に感じた。


「あらら、降ってきちゃいましたね。早く中入っちゃいましょう」


「そうだね!」


 遠くからは雷の音も聞こえる。これは早く2人を帰らせた方がいいだろう。





 空は暗く、雲は黒色に近い。

 そんなどんよりとした空を眺めながら、こりゃ大きいのが来そうだ。と、呑気に考えるのであった。

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