第15話



「で、その女は、誰なんですか?」


「おいおい女って…。こいつは鍛えたいから師匠になってくれとか言い出したから一緒にちょっと走っただけだ」


「ふーん、へー。あの変態ジョギング見てついてきたいなんて言う人もいるんですねぇ…。……いや、先輩の言うことは信用できません!実は何かしたんじゃ…?」


「してねぇよ!なんでお前の俺に対する信頼値は0なんだよ!! …はぁ。ミアも怖がってんじゃねぇか」


「へー!ミアですか!既に下の名前で呼び合う仲なんですね〜!なるほどです〜!」


「ここに下とか上とかねぇだろ!大体なぁ…」


「あ、あのぅ…」


「「ん?」」


 今まで口を開かなかったミアがなにか言おうとしたためそちらに気を向ける。

 ……爆弾を投下するとも知らずに。




「鍛えようとついていったら…無理矢理家に来るようにって…///」


「「!?!?!?」」


 いや無理矢理ってほど無理矢理でもないだろ!おい何ちょっと頬染めてんだよ!!仕返しか!?置いてったことの仕返しなのか!?


「…………………せん…ぱい?」


「は、はい………?」


「ちょ〜っと、お話しましょうか?」


「は、はい………」


 そう言って俺は襟首を捕まれ、家の奥に連れていかれた。

 ……………イタイヨー。










「で、?」


「ん?」


「ん?じゃないですよ、たらし先輩。ほんとにあの子鍛えるつもりなんですか?」


 ああ、その話か。こいつの話の飛び方ほんとJK。まあ前の世界ではJKだったんだけど。


「たらしじゃない。口説いてなければ俺が話しかけた訳でもない。で、鍛えるか、か。まあ、ミアのやる気が持つ限りは続けるが…。そんなに持たないだろ、まだ5歳だし。1ヶ月も経ったら辞める辞める」


「うーん、そんなもんですかね。まあ、どっちにしても鍛える量考えてあげてくださいよね。女の子なんですから」


「ああ、そういうことな。……別に外見に変化が出るほど鍛えるつもりは元から無いんだがな。それよりも大事なことが…」


「あー、はいはいそーですねー」


「うぜぇ…」


 実際のところ、俺はこの時1ヶ月どころか1週間も持たないだろうと思っていた。


 何ヶ月もストーキングしてきたという事実とその執念を忘れて。








 ソフィアとの話がおわり、俺たちはリビングに戻ってきた。

 ちなみに本当にリビングと言うのかは知らない。リビングっぽい部屋だから勝手にリビングと呼んでいるだけだ。

 ……まあリビングっぽい部屋は10部屋くらいあるのだが。


 リビングに入ると、ミアにマシンガントークをぶちかますエマと紅茶を持ったまま固まっているミアの姿があった。

 ああ…エマのファンみたいなもんだったもんな…。そりゃ緊張するわ。


「あら、おかえりラン。お友達は借りてるわよ?」


 その声でミアが俺に気づき、涙目で俺に目で助けを求めてくる。


 …………………………………………。


「うん、もうちょっと貸してあげるから話してていいよ」


「ランっ!?」


 さっきの仕返しだ。俺は悪い笑みを浮かべながらリビングを出た。


「うわぁ……」


 ソフィアが引いてる声がするが気にしない。

 気にしてないからダメージなんて受けてない。

 ……いやけどそんなにガチで引いたみたいな声出さなくて良くない?



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 今回短いです申し訳ない(><)

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