昔終わったはずの恋愛が、実は今でもお互いに終わっていなかった。そんなお話です。
最初は硬くて冷たくて必死に理知的でありながら、顔を合わせるたびに理性が剥がれかけ、また綻びを埋め直し。
そんなもどかしく、じれったく、けれど自然と応援したくなる様な、子供っぽくもとても大人な恋愛です。
出てくるキャラも、とても皆さん良いキャラで、安心して読めました。
こういう恋愛のお話って、どこかヒステリーな人とか、虚勢を張るライバルみたいなのが出てきますし、いるにはいるのですが。
みんな大人ですし、きちんと最後には己を認められる、弱いながらも強い人達です。
文章も展開も落ち着いていて、じっくり丁寧に書かれています。
特に、心理描写に引き込まれるお話だと思います。
じれったくなりながらも、大人な恋愛をゆっくり楽しみたい方にお勧めしたい秀作です。