(自分さえ)
自分さえ
誰なのか 知らないというのに
自分 見失わない ように
って
手をつかまえて
貴方は
後ろ姿で わらう
自分の
言葉 の はずだった
まるで 水が 波紋を
広げるように
ながれる会話は
そのまま
もつれない
溢れて 止まらない
ここは あまりにも
明るく
後ろには なにも
無くて
言葉のひとつひとつ
染めあげて
ふたり ふたり
わかってしまう
この距離の深さ
夜明け前の 涙 は
もう
首筋に
孤独さえ
前にすすんで 貴方を打つ
というのに
【詩集】風鐸 風韻 @Fuin
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