第六 四字の語彙の部
四字の語彙の編(v3-0203~v3-0239)
v3-0203
بسم الله الرحمن الرحيم
二字の名詞から構成される四字の語彙の編
با bä めぇ~、羊の鳴き声。「قوی بالادي qoy bälädi」羊がめぇ~と鳴いた。
بو bu 蒸気、熱気。「اشج بوسي äshich busi」鍋の湯煙。他にも用いる。
بو bu これ、この。「بو ار bu är」この人。
بي bi 牝馬。テュルク語、オグズ語ではない。
بي bi 一種の大毒蜘蛛。「بوی böy」とも言う。オグズ語。
تو tü 細毛。体毛。「بیر تو سج bir tü sach 一本の頭髪」も此れに由来する。
تو tü 顔色、色彩。「تودش تونلار tüdäsh tonlar 色を同じくする衣」も此れに由来する。
v3-0204
تو tü 馬の毛色、顔色。「اتنك نا تولك ating nä tülüg」お前の馬は何色。
تو to 小麦粉を水で溶いたものを熱する一種の麦食品。それを器皿に注いで、発酵を待ってから飲む。
جا cha/chä 比喩を表す語尾。アラビア語の比喩を表す語尾「ك」と同じ。例えば、「ال منك جا ol mäning chä それは私のよう」、「بو انك جا bu aning cha これは彼のよう」
جي chi 濡れた、湿った。「جي ییر chi yär」湿った地。
جو chu 命令形の動詞の肯定形、否定形の後に加えて強調を表す語尾。例えば、「کل جو käl chu 来たまえ」。「برما جو barma chu 行くなよ」。此の言葉は二人称のみで用いる。
سا sa/sä 条件を表す語尾。「ال افکا برسا ol äfgä barsa」彼が家に行ったら。「سن قجان برسا سن sän qachan barsa sän」お前が何時行ったら。これは動詞と連接する。
سا sa 「お前」の意を含む言葉。「سا ایرمن sa ayurmän」我はお前に言う。ここの「ا」は、「سن sän」の「ن」の位置に出現し、「سنکا sängä」の「نك ― ng」が落ちた。「ا」と「ن」の置換はアラビア語の中にもある。例えば、偉大なる神の言う所の「لنفعا」と詩人「اعشی」の短語「الله ربك قاعدا」と同じである。
v3-0205
سو sü 軍、兵。諺では此の様に用いる。
اتاغقا ابکلاب سوکا سوزلامادك
otaghqa öpkäläp sügä sözlämädük
仲間が不貞腐れ、兵達に話さず。即ち、軍営中の同僚が不貞腐れ、兵達と話をしなくなった。この諺は、ある人が不貞腐れてしまうと、其れを見た彼の友人たちは目障りに感じることを指している。此の言葉は詩歌では此の様に用いる。
سو کلدي ییر یبا
sü käldi yär yapa
قرار قر ... سا
qarar qar ... sa
قجتي انکر الب ایا
qachti angar alp aya
افت بلب ال یشار
ufut bolup ol yashar
軍勢は地を覆わんばかりに来て、馬蹄が巻き上げた土煙は地平線と雪山を霞めた。この為、アルプ・アヴァという男は逃げ出し、しくじったので隠れてしまった。
v3-0206
سي si 被修飾語の語尾に付ける。もし語尾が静符なら、続けて「سي si」を加える。もし動符を帯びていたら、「ی」を加える。「اتا ata」の語尾は「ا」で静符を帯びており、被修飾語尾を加える時、「انك اتاسي aning atasi 彼の父」となる。「انا ana」も同じ様である。語尾が「ا」なので、被修飾語尾を加える時、「انك اناسي aning anasi 彼の母」になる。しかし、「یا ― ی」は二つ重ねて「انك اتایي aning atayi」とは言わない。耳障りを好くする為に、中間の「lin」を「س」に換えたのである。
しかし、語尾が動符である「اغل oghul」に被修飾語尾を加える時、「انك اغلي aning oghuli 彼の息子」と言う。被修飾語尾を加える時に、「ل」は動符を帯びているので、「س」は要らない。「ات at 馬」に被修飾語尾を加える時、「انك اتي aning ati 彼の馬」と言う。「ت」は動符を帯びているので、「س」は要らない。
この規則は、全てのテュルク諸語の所有格に適用される。即ち被修飾語の語尾に加える時、語尾が静符か動符であるかを見分ける必要がある。
v3-0207
شا sha 「سا」と「مالك الخزین」と呼ばれる鳥と同じ様な雑色の鳥。此れは綽名にも用い、「اردم سز شا ärdämsiz sha 教養の無い鳥」と呼ばれる。それは、いつも地上すれすれに飛ぶ。
شو shu 「جو chu」の意味で用いる助詞。「برغل شو barghil shu 行きなさいよ」。「کل شو käl shu 来いよ」。
شي shi 請。秦の可汗達に会見する時に使う言葉。これはアラビア語の「ابیت اللعن はい閣下、どうぞ」と同じである。
غو ghu 動詞の命令形の後に綴って、地点、時間、用具の名詞を構成する附加成分。「برغو ییر barghu yär 行くべき地」。「ترغو ییر turghu yär 立つべき所」。
قا qa 器皿、甕。此の言葉は流体物を入れる器皿を指す。「قا قجا qa qacha 食器、器皿」の形式で、対偶詞としても用いる。
v3-0208
قا qa (アラビア語の)場所を表す附加成分(に相当する)。これは「ق」を持つ名詞の後に連ね、発音を補充する名詞、或いは軟音で読む名詞。「باغقا کیر baghqa kir」庭に入れ。「تاغقا یقلا taghqa yoqla」山に登れ。
قا qa 向格の成分。エールグー語。「اتامقا بیردم یرماق atamqa bärdim yarmaq」我が父に挙げた、銭を。「انامقا تؤار بیردم anamqa tavar bärdim」我が母に荷物をあげた。
時に、この附加成分は属格を表す(アラビア語の)「ل」と同じ意味を持つ。「اتامقا سوز ایدم atamqa söz aydim」我が父に話をした。
قي qi 「ちょっと、もしもし」等の呼び掛けの言葉。「قي بروکل qi bärü käl ちょっと、こっち来て」。「ق」と「ی」の間は長目に発音する。
قي qi 親族関係を表す名詞の後に連ね、「実の血縁」を表す附加成分。「اتاقي ataqi 実の父」、「اناقي anaqi 実の母」。
کا kä/gä 向格の附加成分。これは「ك」を持つ名詞の後に連ねる。軟らかい発音、或いは弱い発音の名詞の後である。「ال افکا بردي ol äfgä bardi」彼は家に行った。「ال افکا کردي ol äfgä kirdi」彼は家に入った。
時に、この附加成分は属格を表す(アラビア語の)「ل」と同じ意味を持つ。「ال ترکا کردي ol tärgä kirdi」彼は事を為した。
v3-0209
کو kü 名望、名声、名誉。「کولك بلکا külüg bilgä」名高き賢者。
لا la オグズ人が事情が確かに行われたことを表示し、動詞の末尾に加える強調助詞。「ال بردي لا ol bardila」彼は行っていた。「ال کلدي لا ol käldila」彼は来ていた。此の言葉は、既に行われたかどうか事情を知らないことも指し、聞いたり言ったりしたことを否定する形で現れる。
ما ma/mä 動詞の命令形の後に連ねて否定の意を表す附加成分。「قل qil しなさい」。「قلما qilma するな」。
ما mä 持っていけ。「持つ」の意を表す言葉。「ما mä あげる、持っていけ」。時には「ا」が「ه」に替り、「مه mäh」とも言う。これはアラビア語の「ابریة هبریة،اراق هراق」と同じである。
ما mä めぇ~。仔羊、仔羊の鳴き声を表す言葉。これはアラビア語と符合する。「ذي الرمة」と「باسم الماء مبعوم」が取り替ったことと同じである。
مو mu 名詞や動詞の後に連ねて疑問を表す附加成分。「بو اتمو bu atmu」これは馬か?「بو ایتم bu itmu」これは犬か?動詞の例だと、「بردنکمو bardingmu」お前は行ったか?「کلدنکمو käldingmu」お前は来たのか?一部のオグズ人は動詞の第三人称に附加成分を連ねる時、テュルク人と区別し、「م」の斉歯符のの後の「و」を「ی」に取り換える。「ال بردیمي ol bardimi」彼は行ったのか?名詞の場合は、テュルク人と同じである。「بو ات سنك مو bu at säning mu」この馬はお前のか?「بو اغل سنك مو bu oghul säning mu」この子はお前のか?
v3-0210
نا nä なに。「نا تیرسن nä tärsän」お前何を言ってる。
نا nä アラビア語で驚きを表す「ما ma」の位置に加える附加成分。「ناما اذکو کشي ال nämä ädhgü kishi ol」なんて善い人なんだよ。「ناما یؤز نانك ال بو nämä yavuz näng ol bu」なんて悪い物なんだよ、これ。
نو nü なに。「نو تیرسن nü tärsän」お前何を言ってる。此の言葉の原形は「ناکو nägü」であり、「ا」と「ك」の字が短縮されたのである。
本章中のミサッラル
وا wa 「あれぇ、やれやれ」の意味で用いて、相手の言い分を否定する助詞。「وا نا تیرن wa nä tärsän」あれぇ?お前何を言っている。此の言葉は、怒りや苦しみ悲しみを表すのにも用いる。
v3-0211
یا ya 弓。諺では此の様に用いる。
قرمش کرش تکلماس اقرقن ناغ اکلماس
qurmish kirish tügülmäs oqruqun tagh ägilmäs
干した皮紐を輪がねらず、投げ縄で山を引けず。即ち干した皮紐は曲げられず、投げ縄で山を動かせない。取るに足らない方法で仕事をするなと勧めている。
یا ya 「وا wa やれやれ」と同じ、否定の補助詞である。
یو yu 「唉呀、唉呀」。婦女たちが、あることに恥ずかしがる時に使う感嘆詞。
یي yi 針の縫い目。衣服の縫い目。針子のことを「ییجي yichi」と呼ぶ。
یي yi 山の峡谷。
یي yi 「یي یغاج yi yighach」木の幹と幹とが絡み合っている樹木。此の言葉は元々「ییکي yigi 緊密」であるが、字が省略された。隙間の無い歯並びの事を「ییکي تیش yigi tish」とも言う。
فَعَلْ fääl,فَعُلْ fäul,فَعِلْ fäil 型で中間の字に各種動符を帯びた語彙の章
تبا taba 方角、方向。方向を表す助詞。「منك تبا کلدي mäning taba käldi」我の方に来た。
v3-0212
تبا tapa 咎め、叱責。「ال انك تباسي قلدي ol aning tapasi qildi」彼は彼に咎められた。即ち、やったことを当てこすられた。
تبي tapi あるものへの満足。「بو ایشتا انك تبسي کراك bu ishta aning tapisi käräk」この事には彼の満足が要る。
تبي tapi 中等な、適度な。「بوذي تبي ار bodhi tapi är」背が中くらいな人。
تبو töpü 丘。「تاغ تبوسي tagh töpüsi」小高い所。
تبو töpü 頂上。
تبي tüpi 大風、狂風。諺では此の様に用いる。
قلن بلتغ تبي سرار قرانکقو ایشغ ارنج اجار
qalin bulutgh tüpi sürär qarangqu ishigh urunch achar
厚い雲は狂風が払い、後ろめたき事は賄賂が開く。即ち、天空が黒雲に覆われていても、狂風が吹き飛ばし、王宮の中の闇は賄賂で打開できる。この諺は賄賂を求める人が言う。
سبي subi 犂、先端が長方形である。同じく、もし人の頭が丸くなかったら、「سبي باش subi bosh 棒頭」と言う。
قبا quba 黒い鬣を持つ黄褐色の馬。「قبا ات quba at」黄膘馬(河原毛ないしは月毛)、毛色が黄色と薄赤の中間の馬。この色と同じあらゆる物にも此の言葉を用いる。
قبا qapa あらゆる物の高さ、突出。「قبا یوکلك اق qapa yüklüg oq」高音で鳴る矢羽、高音で鳴る矢羽を持った矢。
کبا küpä 婦女が耳に付ける耳輪。「کبا یرك küpä yariq」鎖帷子或いは輪甲。
v3-0213
کبا kibä 短い時間、ちょっとの間。オグズ語。「کبا بلدي kibä boldi」ちょっと過ぎた。
بتي biti 聖なる書。上天が人に賜えた書物。
بتا bütä 多い、数多の。「من انکر بتا یرماق بیردم män angar bütä yarmaq bärdim」我は彼に沢山の銭を与えた。「بو ایشقا بتا بلدي bu ishqa bütä boldi」この事は巧くいった。此の言葉は丁度オグズ人の言う所の「کبا kibä」である。
بتق botuq 小駱駝、仔駱駝。
جتق chatuq とある海魚の鰭、秦から伝わった。ある人に拠れば、これは、とある木の根っ子であり、刀柄を作ることもできる。これを使って食事の毒の有無を調べられる。スープや料理に其れを入れると、もし有毒なら、火も加えてないのに沸騰し、もし碗に移せば、熱も無いのに湯気が立つ。
ستا sata 数珠、首飾り。
شتي shuti 草鞋虫、蜘蛛に似た虫。これはテュルク語ではない。
قتا qata 次、遍。「بیر قتا ایدم bir qata aydim」我は一度言った。
v3-0214
قیو qayu どれ、どちら。此の言葉は「خیو hayu」とも言い、「ق」と「خ」が交替した。オグズ人とキフチャーグ人は「ق」を「خ」に変える。彼らは「خلج halach」人の一階層である。テュルク人が「قیزم qizim 我が娘」と言う所を、彼らは「خیزم hizim」と言う。テュルク人が「お前何処にいた?」は「قندا اردنك qanda ärding」と言うが、彼らは「خندا اردنك handa ärding」と言う。
کتو kötü 屋根。
کتو kätü 片足が跛の、片手が不具の。キフチャーク語。
بجي buchi ブチー。音調が物悲しい竪琴。
سجا sächä 雀。オグズ語。
سجو sachu 房。衣服や帽子、其の他の物の房。
قجو qochu 高昌。回鶻人の城市の名称。時には、この名称を以て其の地域の諸城を指す。
کجا kächä フェルト。オグズ語。
کجي kächi 山羊。オグズ語。
کجا kächä 夜。詩歌では此の様に用いる。
کجا تورب یرر اردم
kächä turup yorir ärdim
قرا قزل بري کردم
qara qizil böri kördüm
قتغ یاني قرا کردم
qatigh yani qura kördüm
قیا کورب بقو اغدئ
qaya körüp baqu aghdi
夜分に私は起きて走り、黒紅い狼を見た。私は強い堅弓を手に取り、狼は其れを見ると丘に向かって逃げて行った。
v3-0215
کجا kächä 荷箱。メロンや胡瓜を入れて駄畜に載せる。
نجا nächä いくら。「نجا یرماق بردنك nächä yarmaq bärding」いくらか銭をくれ。時には、此の言葉は疑問の附加成分として出現する。
تدو tadu 人の気性と性格。
v3-0216
تدا tada 目見当で十歩ほどの距離。
ددا dada 父親。オグズ語。
قذي küdhi 下に向かって、下向き。「قذي الدي küdhi ildi」彼は下の方に行った。
بري böri 狼。諺では此の様に用いる。
بري قشنیسن یماس
böri qoshnisin yämäs
狼は隣で食べない。即ち、狼は隣人を尊重するので、隣人の傍では食べない。この諺は、己の隣人を尊重する様に戒めている。
بري bori 矢の竿の先端、鏃を嵌め込む凹んだ所。これは「بشق بریسي bashaq borisi」とも言う。
بري bori 水が流れない様に、楔で固定した水門。
تري türi 「تري نانك türi näng」とても食べ物の味とは思えない様な、あらゆる拙い物。性格が粗暴な人の事を「تي کشي türi kishi」と言うのも、此れに由来する。
ترا tura 賽子。「ترا قلقن tura qalqan」敵から己の身を躱すための様々な武具。
ترا törä 上座、上席、部屋の上座。「ترایقلادي törä yoqladi」彼は上座に入った。此の言葉は、時には「تور tör」とも言う。
ترو törü 掟、習慣。諺では此の様に用いる。
ایل قلر ترو قلماس
äl qalir törü qalmas
国は捨てても、習慣は捨てず。即ち、故郷は捨てられても、習慣は失わない。この諺は、先人達から風俗習慣を受け継いでいることを諭している。
v3-0217
تري täri 皮、皮膚。
سرو särü 壁棚。その上に家財道具を置く。
قرا qara 黒い。ハカーニヤの可汗達は皆「قرا qara」を冠して名乗る。例えば「بغرا قرا خاقان bughra qara haqan ボグラ・カラ・ハーカーン」という様に。これには一つ故事が有る。「قرا قش qara qush 鷹」。「قرا قش qara qush 水星」。それは明け方に出現する。ある時には「قرا قش یلدز qara qush yulduz」とも呼ばれる。「قرا قش qara qush 駱駝の蹄の辺り」。オグズ語。「قرا ارن qara orun 墳墓」。此の言葉は詩歌では此の様に用いる。
برمش سنك بل
bärmish säning bil
یلنکق تبر قرنقا
yalinguq tapar qarinqa
قلمش تؤر اذنك
qalmish tavar adhinning
کرسا قرا ارنقا
kirsä qara orunqa
知るべきことをお前に与えよう。食べるのはお前自身だ。何故ならば、人は己の腹のために働くからである。人が暗闇の所(墳墓)に入ったら、残した財産は他人の物になる。此の言葉は元来「قرا ارن qara orun 暗闇の所」である。「قرا باش qara bash 黒頭」、これは奴隷を呼ぶのに使う言葉で、男女ともに同じく、その意味は「黒い頭」である。「قرا ات qara ot 黒草」、白くて丈が低い、これは毒草の一種である。「قرا یاغ qara yagh 黒油、石油」。「قرا سنکر qara sängir カラ・センギル」バルスハンの一地名である。「قرا اتماك qara ätmäk 黒餅」ナンの一種。それは此の様に作る。肉に火を通した後、バターや糖を塗し、煮て膨張してから食べる。此の言葉は「قرا قرا qara qura 黒々とした」という形式の対偶詞でも用いる。
v3-0218
قري qari 老いた、年を取っている。あらゆる物の老い。年寄りの事を「قري ار qari är」と言うのは、此れに由来する。「قري ات qari at」成年となって気力の有る馬。他にも用いる。
قري qari 肘、片腕。肘から指先の間。
قري qari 布を量る単位。上の言葉が語源である。此の言葉の意味の含む所はアラビア語に符合する。何故ならば、腕の長さで布を量ることは、二つの言葉でも、同じ言葉で表すからである。
v3-0219
قري quri 「قري قري quri quri」クリークリー。母馬の後ろに留まっている仔馬を呼ぶ時の掛声。時には「ی」が「ه」に替って「قره قره qurih qurih」になることもある。
قرو qoru 撒菱。キフチャーク語。
نرو närü そっち。方位を表す言葉。「نرو بار närü bar」そっち行け。
بزی bizi 水ぶくれ、焼け焦げた。焼け焦げたナンの表面に出来た水ぶくれ。「اتماك بزی بلدي ätmäk bizi boldi」ナンが黒焦げになった。
قزي qazi 腹部の脂肪、脂身。人の腹部の脂肪、馬の腹の脂身。「یند قزیسي یاغ yund qazisi yagh」馬の腹身は油、これはテュルク人が最も好きな油である。
قزي qozi 仔羊。
بسا basa ~の後、以降。「من اندا بسا کلدم män andan basa käldim」我は彼の後に来た。
بسو basu すりこぎ、鉄棒。とある言語の中に見える。
تسو tusu メリット、利点、効能。「ال ات منکا لدي ol ot manga tusu qildi」その草は我に効き目があった。
قسي qasi 囲い。木の枝などを用いて、羊などを囲う為の囲い。「قسي بدم qasi badim」我は囲った。
v3-0220
قسي qasi カシー。郷里の一地名。
تشو tüshü 「تشو تشو tüshü tüshü」ドードー。驢馬を停める時の掛声。発音する時に「ت」と「ش」の間に「ر」が入るが、文字として表記されない。
تشي tishi 雌。あらゆる動物の雌。
کشي kishi 人。此の言葉は単数でも、複数でも、男女ともに言い表す。
کشي kishi 婦人、妻。ヤグマー地域で耳にしたことがる。彼らは「彼が身を固めた」という意味で「ال کشي الدیمو ol kishi aldimu 彼は妻を取ったのか」と言う。
بغا bugha ブガ。インドから齎された一種の薬。黄色い物を「سارغ بغا sarigh bugha」と言い、灰色の物を「بوز بغا boz bugha」と言う。
تغا togha 病、病身、体を患う。「ایك تغا ig togha」病身、体を患う。
جغي chughi 言い争い、口喧嘩。エールグー人は開口符の「ج」を用いるが、その他のテュルク人は合口符を用いる。
قغو qughu くぐい、白鳥。
سغو saghu ひさげ、量り。
تؤی tävä 駱駝。単数形も複数形も同じである。二つの発音部位の間は「ؤ」と読む。オグズ人は此れを「دوا däwä」と言う。
v3-0221
جؤا chava チャヴァ。青年に与える名前。
جؤي chuvi ホータン人の習俗に拠れば、可汗より二級低い人の称号。この方面のテュルク人にも同じ様な習俗が有る。
جؤي chivi 鬼神の名。テュルク人が信じるのは、此の様な一点である。もし二つの地域の人々が戦わば、両方の地域の鬼神たちも、夫々の地域の人々を支持して戦う。もし、鬼神の何方が勝てば、二日目、その地方の住民たちが勝利を得る。夜中に、もし両地方の鬼神の何方かが負けてしまったら、その鬼神の地域の王も敗けてします。テュルクの将兵は戦から帰ると、鬼神の矢に当たらなう様、各自帷屋に入って遣り過す。これは彼らの中で広範に伝わっている観念である。
قؤي qovi 朽ちる。「قؤي یغاج qovi yighach」枯れ果てた木。時には「و」に替えて「قوي qowi」と言う事もある。
قؤي qovi 「قؤي ار qovi är」運の無い人、不幸な人。エールグー語。此の言葉は諺では此の様に用いる。
قؤي ار قدغقا کرسا یل
qovi är qundughqa kisrä yäl alrir
幸亡き人は井戸に入っても風に捉われる。運の悪い人は井戸に入った時も、強い風に煽られて困難に陥る。
بقا baqa 蛙。亀の事を「منکز بقا müngüz baqa」と言うのは、此れに由来する。「بقاجق baqachuq」は「بقا baqa 蛙」を小さく示す表現で、肩甲骨と手の間の皮膚や筋肉を指す。
v3-0222
بقو baqu 丘、土の山、小高い場所。
بقا buqa 牡牛。
تقي taqi 更に、再び。「تقي یرماق بیر taqi yarmaq bär」もっと銭くれよ。オグズ語の中では、此の言葉は「一緒に」の意味になる。「ال تقي اندا ol taqi anda 彼は其の地に居る。
تقو toqu 留め金、ベルトのバックル。
سقا saqa 山麓、山裾。
سقو soqu 臼、擂鉢。本来「ق」には重綴符を帯びる。例えば「土山や小高い所」を意味する「بقو baqu」は、本来「baqqu」であったが、軽音化して重綴符が落ちてしまった。雨具の意味の「یقو yaqu」は元来「یاغقو yaghqu」である。これは、偉大なる神の言う所の「فظلتم تفکهون」と同じである。元来「فظللتم」が軽音化した。
اري uri 吶喊、大声をあげる。「اري ققي uri qiqi」大騒ぎする。
بکا bökä 龍、悪魔。此の言葉は諺では此の様に用いる。
یتي بشلغ یل بکا
yätu bashiligh yäl bökä
七つ頭の龍。同じ様に、ヤバークー人は年長者の事を「بکا بدرج bökä budraq」と言う。この称号は英雄にも用いる。「بکا بدرج bökä budraq」の伴の異教徒は七十万に達する。それに対して四万の兵を擁するアルスラーン・テギン・アズィは戦闘中、神は彼を失敗させた。
マフムード曰く、我は嘗て此の戦闘に参加した者に尋ねた。「異教徒の斯くも多いのになぜ敗けたのか?」。彼曰く、「我々も之には驚いている」。我々は失敗した異教徒に問うた。「お前たちは斯くも多いのに、なぜ敗けたのか?」。彼らは応えて曰く、「戦鼓が鳴り響き、角笛が鳴り響いた時、我らの頭上に緑色の大きな山が現れて、蒼穹を遮った。その山には数え切れない程の門が有り、其れ等が凡て開いた。すると其れ等の門から、我らに向かって地獄の炎が噴き出した。我らは其れに恐怖し、此の様に、お前たちが我らに勝ったのである」。我曰く、これは正にムスリムの軍勢に起こった奇跡である。
v3-0223
بکي bägi ベギ。男子に与える名。
بکو bögü 学者、賢明な、智慧のある。「بلکا bilgä」を加えて「بکو بلکا bögü bilgä」と言うのも、此れに由来する。此の言葉は詩歌では此の様に用いる。
بلکني ارددم
bilikni irdidim
بکوني اذردم
bägümi ödhürdüm
ازمني اذردم
özümni adhirdim
یلغل اتم لنور
yalghil atim yazlinur
我は知識と知謀を求め、智慧に満ちた賢明な人々を選び、自ら人々の中から離れた。その為に我は木綿髪(白鬃馬)を手放した。
v3-0224
تکا täkä 牡ガゼル。その角で弓を作れる。
تکا täkä 牡山羊。顎髭が牡山羊の様に貧相な人の事を「تکا سقال täkä saqal」と言うのは、此れに由来する。
تکا tügä 二歳の仔牛。牝の仔牛の事を「تشي تکا tisgi tügä」と言う。
تکو täkü 塊、片。「بیر تکو ات bir täkü ät」一塊の肉。元来、此の言葉の中の「ك」は、重綴符を帯びていたが、上に述べたのと同じように軽音化してしまった。
v3-0225
جکي chigi 縫い目。「جکي یي chigi yi 縫い目」。「یکي تکتي yigi tikti 縫った」という文では、「ج」の字を「ی」に替えた。本書の冒頭で述べた通り、キフチャーク語及び其の他言語では、「ی」と「ج」の交替が発生する。彼らは真珠の事を「جنجو chinchü」と言うが、本来は「ی」である。
تکو tükü 「تکو تکو tükü tükü」獣の仔を呼ぶための掛声。
تکي tögi 脱穀した後の穀物、米。オグズ語。
تکي tägi 夜中に聞こえるひそひそとした声や音。テュルク人は此の様に考えている。死者の霊は毎年のある夜に集まって、生前己が住んでた都市の住民たちに会いに来る。もし誰かが此の様なひそひそとした声や音を聞けば、死ぬであろう。これはテュルク人の間に拡がる観念である。此の言葉の中の「ت」は静符を帯びている。私が思うに、開口符で読んだ方が好い。何故ならば、妻が夫の家に嫁いだ後、彼女が実家に見舞いに帰って来た時、「تکدي کلدي tägdi käldi」と言うからである。
سکو sökü 人が座る為に上を閉じた櫃。
سکا sökä 「ار سکا التردي är sökä olturdi」人が跪いた。此の言葉は詩歌では此の様に用いる。
ارن ایذب سکا تردي
ärän idhip sökä turdi
بشي بینن سکا تردي
bashi boynin sökä turdi
افت بولب بکا تردي
ufut bolup bökä turdi
اذو قما تبن تغدي
udhu qama tipän tighdi
戦いに負けた人を此の様に描いている。彼は我に幾人か遣わし、彼らは我の前に跪き、彼は己の行いの為に引っ叩かれ、人々の前で羞じて自ら身を隠した。彼は我の前に来て、真理を求めると、お前は我が行いを追い求めるには及ばず、と答えた。
v3-0227
ککو kükü 叔母。此の言葉は「ککوی küküy」とも言う。この方が正確である。「ککویم کلدي küküyüm käldi」我が叔母が来た。
بلا bala 雛。獣の仔も幼少であれば此の言葉を用いる。
قش بلاسي قسنجغ ات بلاسي اخشنجغ
qush balasi qusinchigh it balasi ohshanchigh
鳥の雛は(人を)厭い、犬の仔は(人を)喜ぶ。雛鳥は羽が生えるまで人を嫌っている様に見える。犬の仔は玩具の様に人を見ると喜ぶ。しかし、大きくなると皆相反する。
بلو balu バルー。エールグー人の小都市の名称。
بلو bälü 「بلو بلو bälü bälü 寝ろ寝ろ」。婦女が子供を寝かしつける時に言う言葉。
بلا bala 日雇い、お手伝い。大人が仕事する時、大抵は耕作を手伝う子供。
تلو tälü 気違い、馬鹿、間抜け。オグズ語。
تلو talu 選ばれた。「تلو نانك talu näng」選ばれた物。
تلو tolu 満ちた。「تلو اذش tolu idhish」満ちた甕。満ちて溢れ出そうな、あらゆる物を此の様に言う。
تلي toli 雹、霰。空から降る雹。
تلي tili 鏃を竿の先に固定する皮の輪。
v3-0228
جلار chilär 厩肥。厩の中の湿った馬糞。
سلي sali スコップ。泥を掬い出す道具。
سلی süli スュリー。奴隷に与える名前。「سلیمان suläyman」の略も此の様に言う。
قلا qula 海騮馬、河原毛。脚と鬣が黒い馬。「قلا ات qula at」河原毛の馬。
قلي qali 「此の様、もしも」を表す言葉。此の言葉は詩歌では此の様に用いる。
کلسا قلي قتغلق
kälsä qali qatighliq
ارتر تیو سرنکل
ärtär täyü säringil
اذلك ایشن بلب تر
ödhläk ishin bilip tur
انجا انکر ترنکل
ancha angar tirängil
もし君が苦難に襲われたら、ただ耐えよ、それは過ぎ去るものと思え。世の中の事は全て此の様だと知れ、逐一苦難に悲嘆して消沈するには及ばない。「بو سن بو ایشغ قلي قلدنك bu sän bu qshigh qali barsa kilding」この事はどうした?「سن قلي برسا سن sän qali barsa sän」お前が若し行ったら。
v3-0229
کلي küli 干し杏、干し桃。種を取らずに干した杏や桃等。
تمو tamu 地獄。此の言葉は諺では此の様に用いる。
تمو قبغن اجار تؤار
tamu qapighin achar tavar
地獄の門を開くのは賂。即ち、賄賂が有れば地獄の門さえ開けられる、他の門も開けられぬことがあろうか?これは、何か行おうとするなら、人に賄賂を贈るべきことを勧めている。
تما tuma 「تما بخسن tuma buhsun」米の酒が甕の口から盛んに噴き出している部分。
جمي chami 喧嘩、言い争い。「جمي جمي chumi chami」諍い争い。「جمي جمي قلدي chumi chami qildi」諍い争いが起きた。「جمي chami」と言う言葉は、対偶詞の一部としてのみ用いる。
v3-0230
سما sümä 幼芽、芽生えた小麦。晒して干した後に轢いて粉にして麺条やナンなどにする。米酒を醸造する時の大麦の麹も此の様に言う。
کمي kämi 船。オグズ語とキフチャーク語。
کمي kämi 「کمي تلاس kämi talas」ケミ・タラス。回鶻の辺界にある隘路の名称。
کمي kämi 船。テュルク語。
کمي اجرا الدروب
kämi ichrä oldurup
الا سؤن کجتمیز
ila suvin kächtimiz
ایغر تبا بشلنب
uyghur taba bashlanip
منکلق ایلن اجتمیز
minglaq älin achtimiz
我々は船に乗ってイラの水を越え、回鶻の方に向ってミンラクの国を破った。
v3-0231
مما mama 脱穀時に中間に繋がれる去勢牛。其の他の去勢牛は其の周りを回る。
ممو manu 婚礼の晩に花嫁と一緒に送られた婦人、兄嫁。此の言葉は元来テュルク語ではない。
نما nämä 「知らない」を意味する言葉。「نما نا قلدي nämä nä qildi」知らん、何をしたか。
تنا tana パセリ、香菜の種。オグズ語とエールグー語。
ینو یمو yänü yämü 「お前見ていろ、いいか!」等の意味を持つ対偶詞。「من برغای من یمو män barghaymän yämü」俺が行くから、いいか!
v3-0232
سني suni 土台に敷く横木。壁或いは底板の下の横木。
قنو qanu どれ。「قنو کشي qanu kishi」どの人。エールグー語。此の言葉の「ن」は「ی」から交替した」。
قاني ، قني qani 何処に。「اغلم قني oghlum qani」我が子は何処。
کني köni 真の、確かな、正しい。「کني نانك köni näng」。まじめな、心の真っ直ぐな人を「کني ار köni är」と言う。
کني küni (妻妾の間で互いに呼ぶ)姉妹。此の言葉は諺では此の様に用いる。
کني نك کلینا تکو یغي
küni ning külinä tägü yaghi
妻や妾は灰に成るまで敵。即ち妻や妾から成る仮の姉妹は此の様な敵同士である。甚だしきは、彼女たちは灰さえも相手の目に叩きつける。
منو munu ここである、ここじゃないのか?これは「قاني qani 何処」に対する答えである。
دوا dawa 紅柳(Tamarix ramosissima)の花。染色に用いる。
دوا dawa 糸を紡ぐために用意された毛。梳かれていない粗い毛糸、片腕の上に広げてから紡ぐ。
قوا quwa 木桶。オグズ語。
قوا quwa テュルク式の馬銜を馬の鼻に掛けて固定るす皮紐。
v3-0233
فاعِل fail 型で中に各種動符を帯びた語彙の章
لتو lätü 一種の流動食。この種の料理には水、雪、氷などを使って冷やし、その上に食材を加える。のぼせを冷ますために食べる。
قاجا qacha 容器、袋。「قا قاجا qa qacha」と言うのは此れに由来する。時には縮めて「قاجا qacha」と言う。
قوجو qochu 高昌。回鶻の一城市の名称。
جوجو chuchu チュチュ。とあるテュルクの詩人の名前。
قیجي qichi 油菜。
اونو onu それ。「مونو munu」これ。此の言葉は目の前にある物を指して言う。
سونو sunu 墨壺。
قاني qani 何処にいる?
لیو liyü 泥、漆喰。乾いた時にパンパンと響く泥。
اوهي ühi 梟。多くのテュルク人は「اوکي üki」と言う。
فَعالْ fäal 型で中に各種動符を帯びた語彙の章
ختای hitay ヒタイ。上秦。
v3-0234
تغای taghay 叔父。
جغای chighay 貧窮な、貧しい。詩歌では此の様に用いる。
کنکل کمنك بلسا قلي یوق جغای
köngül kiming bolsa qali yoq chighay
قلسا کجن بلمس اني تق بای
qilsa küchün bolmas ani bay
生まれながら心に貧しさが染みついた者は豊かになる事が出来ない。
فَحْلیٰ fä'la 型で中に各種動符を帯びた語彙の章
ترنا turna 鶴。
قروی qarwi 「قروی یا qarwi ya」上下が湾曲した弓。眉毛が細い人の事を「قروی قشلغ کشي qarwi qashligh kishi」と言うのも、此れに由来する。これはアラビア語とも同じである。アラビア語でも、あらゆる弧形のものを「قروا」と言う。詩人「راوبة」は自己の詩の中で自分の駱駝の事を思って此の様に歌った。
روبة بذکر بعیره
قرواء مرجاب فنق
v3-0235
فْعْلالْ fä'lal 型で中に各種動符を帯びた語彙の章
شنبوی shänbüy 順番に続くマシュラップ、一つ一つ続けて行う宴会。ケンチェーク語。
بختای bohtay 風呂敷。此の言葉は別に「بختوی bohtuy」という形式もある。
لختای lohtay 秦の金銭模様の赤い錦。
قنجوی qunchuy カトゥンよりも一級低い姫様、夫人、公主。「قاتون قنجوی qatun qunchuy」と言うのも此れに由来する。
بغدای bughday 小麦。諺では此の様に用いる。
بغدای قتندا سرقج سؤالور
bughday qatinda sarqach suvlar
麦の周りで稗も水する。即ち、麦に水がまかれる御蔭で稗も水を浴びることが出来る。この諺は、ある人と話すと好い事が有る事を指し示めしている。バルスハン人は「بغدای bughday」とは言わず、「بدغای budghay」と言う。此の言葉を用いて、「我はバルスハン人に非ず」という人を試すことが出来る。
v3-0236
جلدای childäy 馬の胸に出来た一種の腫物。焼き潰して治癒する。
سمدوی samduy 人の気質について言う。今では、熱くも冷たくも無いあらゆる食べ物について言う。
قردای qorday 姻戚。此の言葉は詩歌では此の様に用いる。
قردی قغو اندا اجب یمغن اتار
qorday qughu anda uchup yumghin ötär
قزغن ینکان سیرب انن اني بتار
quzghun yangan sayrap anin üni pütär
とある場所の美景を此の様に描写する。鵜や鵠は水の周りに集まって飛んで来て様々な声で鳴く。ワタリガラスとミヤマガラスはカァカァと多く鳴き、声は皆カァカァだ。
قمشوی qomshuy 充血した牛虻。此の言葉は、尿が溜まった人、尿を出せない人を比喩して言う。
v3-0237
بورغوی burghuy 牛の角笛、吹く牛の角笛。
جرغوی chirghuy 矢の先の隆起した輪。
جرغوی chirghuy 衣服の両襟に付いた紐を引っ掛ける為の釦。
جلغای chalghay 鳥の羽毛の芯。
قرقوی qirquy ハイタカ。「جیك قرقوی chibäk qirquy」隼。
قغوی qarquy 狼煙台。山上や高地に建てられた烽火用の塔。その上で火を焚いて、敵の到来を知らせ、其れを見た者が更に点火する準備をする。
منغوی minghuy 糊。紙を貼り付ける糊。小麦粉などを煮て作る。
جلقوی chulghuy 「جلقوی اتك chulghuy ätük」片方の踵が摩損した靴。片手が不自由な事を「جلقوی الك chulghuy älik」と言うのも、此れに由来する。
五字の語彙の章
ترغجي tarighchi 農夫、農民。
v3-0238
سرغجي sorughchi 失くし物を尋ねる者。
قرغجي qorughchi 守衛。堡塁などの守備兵。
قرنجي qorunchi 穹廬や其の他の所を温める為に使うフェルト。その他にも用いる。
بقرسي buqursi 鉄の刃を持った犂。
本章中六字の語彙
جنجرغا chanchargha 雀。
سکلنجو söglünchü 焼肉。
قملنجو qamlamchu カムランチュ。「اکي اکوز ikki ögüz」から、とても近い小城市の名称。
کزلنجو kizlänchü 隠された、秘密の。此の言葉は諺では此の様に用いる。
کزلنجو کلندا
kizlänchü kälindä
隠された物は嫁の所に。何故ならば、彼女が夫の為に物を預かっているからである。
کسلنجو käslinchü 蜥蜴。
فَعُولَلي fäulädi 型の語彙の章
جقوبري choqubari 坩堝泥。鋳型に適した土や泥。
v3-0239
قراغني qaraghuni 子供たちが夕暮れに遊ぶ遊戯の名称。
فَعْللال fäällal 型の語彙の章
ترمتای turumtay 青鷹、灰背隼、小長元坊。獰猛な猟鷹の名称。男たちは「ترمتای turumtay」を名前や綽名として使う。
四字の名詞の編は完
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