第15話 知恵子!自慢の剛志!

剛志は、異常出産で生まれ もしかしたら

出産時の後遺症により、知能の発達も含めて

発達が遅れるかもしれない。と宣告された。

確かに、身体的には 周りの子供よりも

はるかに小さかった。

平成の時代に生まれてきていたとしたら

ホルモン治療を勧められたかもしれない。

しかし、知能の方は全く問題なく

とても頭の良い利発的な子供であった。

温厚で明朗な性格性格だったので

人望も厚かったので、小学校一年生から

六年生迄 毎年 学級委員を務めた。


知恵子は、劣等生のレッテルを貼られた?吉子の時は参観日もほとんど行かなかった。

稀に行ったとしても、保護者会等でもクラスで目立たないように、ひっそりと参加していた。

ところが、剛志の時は

張り切って参観日等 全ての学校行事に参加し

保護者会の役員にも選ばれたりした。


剛志は、一年生から四年生迄の担任の先生に

好かれて、贔屓されていた。

五年生の時の担任の先生は、そんな剛志を

贔屓する事はなく、成績もそのものズバリの

成績で評価した。


剛志は、確かに成績も運動能力も優れていたが、親も四年生迄の担任の先生達も

過大評価していた部分もあった。

吉子と真逆であった。


吉子の場合は、授業を聞かない!

忘れ物が多い!等

先生に嫌われる要素が満載だったので

実際の学力よりも、低く評価された。

全国レベルの実力テストでは、中の上の成績を収めていた。


小学校の評価は、担任の先生の裁量一つで

随分食い違いがある。

学校の先生も人間だから

それは仕方ない事かもしれない。

問題なのは、担任の先生の評価を

親が鵜呑みにしてしまう事だ。

知恵子も例外ではない。

吉子は劣等生!剛志は、賢い!と

思い込んだ。

そして、吉子には過度な期待はしなくなった。

ただ、吉子に音楽の才能を感じ

バイオリンをやめさせ、ピアノを習わせた。

なぜなら、バイオリンを買うお金がなかったからだ。

せめて、音楽は続けさせてあげたい!

でも、バイオリンを購入するお金がない!

ピアノなら、ある程度の時期迄は

オルガンで練習させればいい!

剛志に期待し、塾にも行かせた。

当時、通知表は五段階評価から

三段階評価へと変わったのだが

剛志が、オール◎になった時には

ステレオを購入してもあげた。


剛志は、友達を惹きつける魅力を持っていた。

例えば、四年生の時の図画の時間

その日は、自由な作品がテーマだった。

剛志は、鳥を描いた。

なんと!クラス全員 剛志の真似をして

鳥を描いたのだった。


知恵子は、剛志が自慢の息子だった!

明らかに、剛志を贔屓していた!

娘が非行に走ってもおかしくない程の

依怙贔屓であった。

ところが、吉子は剛志をたいそう可愛がった。

剛志が近所の悪ガキにイジメられると

やっつけに行った!

「敏文ちゃん!不細工!」と言ってイジメた。

敏文ちゃんの母親が知恵子に

「吉子ちゃんが、うちの敏文に不細工って言ったらしい!」と告げられた。

知恵子にその事で追及された時、吉子は

その理由を話さなかった。

吉子にとっても自慢の弟で、可愛くて仕方なかった。

なので、知恵子が剛志を依怙贔屓されても

全く動じなかった。


そんなこんなで、子供時代の剛志は

知恵子にとって、生き甲斐であった!













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平凡な女の一生 真子 @mako77

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