首狩り
ツヨシ
第1話
騒ぎが落ち着いたのでお話します。
少し前に私のアパートの前で事故があり、怪我人が出ました。
バイクが転倒したのです。
その原因がとんでもないものでした。
なんと道に細いロープが張ってあり、バイクがそれに引っかかったのです。
あの道は時折暴走族が夜中に群れをなして走るので、それに対する報復だとは思われますが、ロープに引っかかったのは原付を運転していたただの女子大生でした。
警察は勿論のこと、近所の住人までが犯人探しをしたのですが、ロープを張るところを目撃した人もなく、結局誰がやったのかつきとめることは最後まで出来ませんでした。
そんな事件があってからしばらくした後、会社の同僚からスケボーをしないかと誘われました。
そいつがスケボー好きなのは知っていましたが、私はスケボーなんかやったことがありませんでした。
それになにより、そいつが何故私を誘うのか不思議でした。
何故ならそいつと私は、会社の中で知らない人がいないほど仲が悪かったからです。
私も嫌いでしたが、それ以上に向こうが嫌っていました。
最初のちょっとした言い合いから始まって、ことある毎に向こうがつっかかってくるようになり、それを私が真っ向から打ち返していたので、それはもう酷いものでした。
そんなやつが私を自分の趣味に誘うなんて。
思いっきり怪しいです。
もちろん私は断りましたが、相手が全然諦めてくれません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます