妾の子という理由で一族から冷たい態度を取られていた、孤独な少女・由比。彼女が引き取られた一族にはある言い伝えがある。それは死体を置いておくと鬼に食われるというもの。
祖母の葬式後に由比は、人ならざる存在・鬼と出会う。孤独な彼女はそんな鬼とゆっくり心を通わせていく。だがある日、彼女に縁談の話が決まったことで人生の歯車はスピードをあげて回っていく。
優しくも、切ない、冬に読みたくなるお話でした。読み終わったあと、目を閉じて余韻に浸れるようなお話。おすすめです。主人公の由比と鬼の交流がたまらなく愛おしかった。