一章 会合
2話
ゾワリと身体が震える。
それは寒さ故なのか他になにかあるのか・・・理由は一つも分からない。けれどもおかげで眠っていた意識は浮上し、レイラは閉じていた目をゆっくりと開いた。
そして。
飛び込んできた見知らぬ景色に、もう一度目を閉じて眠りたくなった。
それでも目の前の景色は変わらない。ので、諦めてレイラは起き上がると周りを見渡す。
場所は上質なベッドシーツの上。真っ白で染み一つも他の色もなく、さわり心地のいいものだ。肩から滑り落ちたそれは薄い毛布のような布団で、毎日手入れされているのかフワフワと軽い感触がする。頭の下にあった枕は手で押しても跳ね返るほど柔らかかった。
近くには小さなサイドテーブルの上にランプがあり、なかでゆらゆらと小さな光が揺れている。微かに油のような臭いがすることから魔力ではなく、火が灯りになっているようだった。
ベッドを支えている4つの支柱は天井まで伸びており、上には薄いレースでできている天幕がかけられている。今はそれぞれの支柱にくくりつけられているので部屋の様子を見ることができた。ただし右側ではなく左の方を重点的に確認していく。
だが反対側はというと・・・天幕とは別の分厚そうなカーテンが全て覆っており、その向こう側は見えないようになっていた。近くに隙間があってそこからガラスが見えることから、どうやらあちら側は窓になっているようだ。
せっかくなのでカーテンの隙間から少しでも様子を見てみたい―――が。
(………なんか気持ち悪いしフラフラする)
如何せん身体がすこぶる重い。その上頭と身体が揺れている感覚を起こしているせいでものすごく気分も悪い。
嘔吐しかける身体を力があまり入らない腕で支えながら、これまでのことをどうにか思い出そうとした。なぜ自分は眠っていたのか、なぜこんな場所に自分はいるのか。
―――そもそもここは何処なのか、ということを。
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