9月 ②

今日はハルが風邪を引いて休みだったので、帰りの電車が退屈でとても長く感じたが、ようやく駅に着いた。

片手で自転車に乗るのは危ないので、完治するまでは自転車を使わないように、と医師に言われいるが、家から駅までの距離を考えるととても徒歩で通学できないので、事故の前と変わらず自転車を使っている。


いつも帰り道を漕ぎ進んでいくと、市民体育館横の公園で、僕よりもはるかに小さな児童達が嘘のない笑顔で走り回って遊ぶ様子が目に入った。

前にも同じようなことがあった気がするが、あまりちゃんとは思い出せない。

僕はブレーキをかけた。

今ここで止まらなければ、もう二度とこの子達の屈託がない姿を見れないような気がした。

そして僕は、もうほとんど泣き出してしまいそうな気持ちに駆られた。

もう戻ってこないのだ、何もかも。

みんなどこへ行ったんだろう。

あの時は、あの場所は、あの人は、あの日々は、みんなどこへ行ったんだろう。


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不可逆 オカモトV @okamotov

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