第18話.癒しの空

「佑李、お待たせー」

 霊園の入り口から、大きく手を振り走ってくる愛しい彼女。

「ごめんね、遅くなって」

「いや」

 俺にはもう、あの夏の癒しの色は必要ない。俺にとって天の存在がまさにそのものだから。

 俺自身もいつかきっと、彼女にとっての“天色の空”になれたらと思う。

「なぁ、天…」

 縁さんの眠るお墓に向かって、今なら自信をもって誓える。

 彼女との明るい未来を――。



END

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天色の空でなくても きおり @sakata1209

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