最終話 ふたりの最適解
「──結局、女性が怖いのは治らなかったな」
「私の方もね」
「まだ悩んでる?」
「まさか。むしろお互いプラスなんじゃない?浮気する可能性がないんだから」
「ははっ……そうかもな」
「……ねえ」
「うん?」
「私ね……むしろ、男の人が怖いって思うようになってしまってよかった、って思ってるの」
「それは……俺もだな」
「そうじゃないと、こうなることもなかったもんね」
「全くだ」
「おーい、泰斗ー。そろそろ式の時間じゃないか?」
「ああ。そうだな、翔希」
「あら、泰斗さんに継美さん。よく似合っていらっしゃいますよ」
「邑久さんも、すっごく似合ってるよ。綺麗な服だね」
「……よし。それじゃ、先に行ってるからな」
「うん、待っててね」
「お互いの悩みは解決しなかったけど、そんな俺たちだからこそ、こうしてうまくいった」
「それぞれを補完する私たち。足りない同士だけど、きっとこれが──」
「「ふたりの最適解なんだろう」」
ふたりの最適解 天草 瀬戸香(杵築) @Amakusa_Setoka
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