雨の降る日、紫陽花のそばで出会った不思議な少年と、少女の物語。どこか神秘的な少年と、明るく前向きな少女。そして、少女のことを気にかける先輩。三人が織りなす物語は、淡く切なく、けれども優しくほんのり甘い。青春の一ページを覗き見るような、少し不思議な恋愛ファンタジーでした。ジメジメとした雨の日に、優しいラブストーリーはいかがですか?
雨の日が好きになる、そんな物語でした。雨の日に現れる少年がとても素敵です。また、アメンボやカエルといった雨ならではの生き物が、ファンタジーらしく描かれているところも好きでした。そして、描かれているのは少年との関係性だけではなく、学校の図書委員の先輩も物語に絡んできます。梅雨の終わり、それぞれの想いを抱えながら、物語は結末へーー儚さ、切なさ、美しさ、そして温かさ。そんな感情がぎゅっと詰まったような作品でした。
雨降る梅雨の季節に紫陽花の前で少女は出逢う少し不思議な物語