水風船が破裂する。

 ドロドロとした赤い液体と、折れ砕けた隙間からこぼれる白濁した半固形物。

 それらは美しい文様など描くはずもなく、ただコンクリートの上に薄く広がった。




 ――それは花というより、虫の死骸にひどく似ていた。



 

 残された一羽の蝶は名残惜しそうにその周りを浮遊した後、どこへともしれず飛び去った。

 

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