日常を非日常に、非日常を日常に

 学校につく。急いで自分のクラスに走って薫を見つける。


「薫!どこにいる?今すぐ、ゲームをやらないと。」


「まぁ、待て。ゲームにINしている間もこっちの世界の時間は進んでいる。つまり、俺たちが授業中にゲームにINしていたら授業は欠席してることになるはずだ。怖くてやったことないけど。」


「それがどうした。葵を助けに行かないと。」


「う~ん、分かった。翔太、1限だけサボるぞ。保健室に行っててくれ。」


「分かった。でも、どうせなら、」


「いいから、それは後で話すから。」


 そう言って薫は僕を教室から出させてドアを閉めて走れと言った。僕はそれを聞いてよく分からないまま、保健室までノロノロと走っていた。


 後ろから小声で声が聞こえてきた。


「もっと全力で走れ。見つかったら怒られるで済まないぞ。」


「えっ、なんで?」


「あとちょっとだから急げ。」


 薫の声がいきなり変わった。


『汝、我が名において命令す。今すぐ、扉を開け。』


「薫?」


「とりあえず、入れ。急げ。」


 僕はなんとか保健室に入り、薫も入り勢い良くドアを閉めた。


「ここまでくれば大丈夫だ。ここは一応俺の領域になってる。」


「なんで、こんな全速力で走ってこなきゃいけないんだ?」


「普通に見つかったらヤバいのと、、、他のは後で話すよ。だから、この一時間を俺にくれ。」


「う、うん。」


「このゲームはデスゲームだって言ったことは覚えてるな?だから、絶対死んではならない。取り敢えず、インするときは俺と一緒に入ろう。」


「僕、一人でも大丈夫だから。強くなれる方法だけ教えて。」


「そういう問題じゃない!」


 薫は声を荒らげた。まるで僕を失いたくないように。


「ゴメン、悪かった。死んだら意味がないだろ?それにまだレベルが低いじゃないか、強くなったら一人で行動していいから」


「うん、分かったよ」


 ここは薫の言うことを聞いていこう。


「いいか、このゲームで強くなる方法は二つある。まず一つ目はゲームの中のステータスと武器を上げることだ」


 それはよくある普通のことじゃないか。


「二つ目は現実世界でステータスを上げることだ」


「それってどういうこと?」


「このゲームは現実が仮想になり、仮想が現実になる。つまり、筋力をつければSTR(力)のステータスが上がる。」


「それって、つまり、」


「あぁ、ゲームでSTR値を上げれば現実では筋力などが上がる。」


 本当にゲームと現実が直結してるんだ!『日常を非日常に、非日常を日常に』なってるんだ!


 でも、それによって葵は...


「いいか、今からINする。身の危険を感じたら直ぐにログアウトしろ。」


 それで、僕らはログインした。

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もし神様がいたのなら、それは過ちであっただろう 綿麻きぬ @wataasa_kinu

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