第六日目

 私は朝が嫌いだ。

 なぜなら、1日が始まるからだ。

 1日が始まるのが嫌だから。

 1日が始まるのはいいことではないか?

 そんな声もあることは確かだ。

 でも私は毎日毎日、無駄な空白な日常、何も掴めず何もない日々を過ごしている。

 私はそんな日々を過ごしたくない。

 それと私は夜に寝る前に一つ祈っている。

 目覚められませんように。

 目覚めたら、また同じルーティーンが待っている。

 そんなのは嫌だ。

 どうして、同じルーティーンを過ごしちゃダメなのか。

 そりゃ、この世界は一人一人に変わることを求めているから。

 変わることは正義なのか?

 どうやら正義らしい。

 変われないやつはいらないのか?

 そうだ、いらないのだ。

 世界は変わらないくせに、私たちに変わることを強制するのか。

 多分、これは間違っているのだ。

 世界が変わらないから私たちに変わることを求めているのだろう。

 変わらなければいけないから。

 私たちは世界に押し潰されていく。

 こうやって。

 私は変われない。

 変わっていってるのかも知れないけれども。

 私自身は変化を感じられない。

 だから、変わっていない。

 自分で変化を感じられなければ変わらないといけないという重圧に耐えられない。

 その重圧に押し潰された瞬間、私はこの世界から魂が消えてしまうのだろう。

 必死になって、自分が変化しているという証拠を求める。

 それは、必死すぎるほどに。

 必死に求めるほどに自分が変わっていないことに直面する。

 だからといって自分が変化しているという証拠を求めないわけにはいかない。

 探すのを止めてしまったら、それは変化をしているかもしれないことすら、否定してしまう。

 それは重圧に潰されることを示す。

 重圧に押し潰されたくはない。

 ただ、それだけだ。

 その重圧に押し潰されたくはないってことすら人のコピーだ。

 それはまた今度。



 君は朝が嫌いなんだね。

 でも、朝は全ての源じゃないかな?

 朝があるから、夜もある。

 朝があるから極論生きてられる。

 君はそんな朝が嫌いなのかい?

 好きにはならなくていいから、嫌いにはならないで。

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