よみづれうた

安良巻祐介

 

 花かんざしに月の露。仇の椿は数珠繋ぎ。芥子人形のお弔い。黄泉連れ歌を歌いながら、学校帰りの枕小道を並んで仲良く歩いていたわらわべが、角を曲がったところで二人揃って消え失せた。それはまことに不思議なような、いやむしろそうなって当たり前のような、どちらとも取れそうな心地がしたけれども、ただその子らの歌っていた歌だけが、小道の奥に残されて、今でも首だけ出して覗けば、か細い嬉しげな節回しが、誰も居らぬ行き止まりよりふわふわと、聴こえてくるとか来ないとか。

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よみづれうた 安良巻祐介 @aramaki88

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