漂着ゲーマーの指南役
@poppo70
第1話 貝を得る
誰でも後悔をすることはあるだろう。都合の悪いことが起きた時や、自分では対処しきれないことが起きた時なんかに、あの時こうしておくべきだった、あっちにすれば良かった、選択を間違えた、と過去を振り返り悩むのだ。
そしてここ、ジェール王国の外れに位置するジンシャ海岸にも一人。今の状況を理解出来ず、後悔を募らせる少年がいた。
「……何を……どこから間違えた?」
少年の名はゼノ=ガルバドル。齢十六のハンターだ。
彼は依頼を受けてこの海岸に来ていた。今回の依頼は貝を拾ってくるというもので、それだけ聞けば駆け出しハンターでもできる簡単なものに思えるが、バカみたいに大きさと硬さ、そして何より敵に対して吐き掛ける胃酸は大抵のものを溶かしてしまうため、狩猟難度は割と高いのだ。
そんな貝に寄りかかりつつ、ゼノは依頼書に目を通す。
「……依頼内容はこの貝で間違いない」
今回のターゲットである貝は、
改めて目を通した依頼書をしまうと、ゼノは貝の状態を確認する。
「……貝殻は傷なし……中身も問題なし……狩り方も間違いない」
既に解体は済んでいるため、本当に確認するだけだ。
「……肝心の真珠は真球にかなり近い......間違いなくこいつは当たりだ」
そう、ゼノの言葉通り今回の狩りは間違いなく大成功のはずだったのだ。たった一点を除けば……。
ゼノは貝の隣に横たわるものモノを一瞥する。
「……やはり、狩りじゃないな……」
彼は何度も読み返した依頼書を再び取り出した。そこにはこう書かれていた。
「……狩猟ターゲット……ジンシャ海岸に発生した
「……狩りの内容じゃなく、そもそもこの依頼を受けたことが間違いだったか……はぁ」
自分の失敗を分析し、ゼノは一つ大きなため息をつく。
だがしかし、依頼は達成し報酬は確定。成果として得られる貝を売れば、ちょっとした小金持ちになれる。これで一体何を間違えたというのか。
「……でも、普通は想像つかないだろ」
原因は、貝の横のモノだった。
「……貝を
それは、ゼノが解体時に見つけ、引っ張り出したモノだった。
「……女の子が出てくるなんてさ!」
そのモノは、ゼノの言う通り女の子だったのだ。
漂着ゲーマーの指南役 @poppo70
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