第21話 開戦

 オーバード教のからの罠と思える大規模UEの出現場所に僕らはいた。僕たち以外の銀河連合軍の人々も数多く集まっていた。すべてはこの激戦と予想される戦いのためだ。

 辺りには数多くの戦艦が集まり、事態に対して備えている。右を見ても、左を見ても20以上の艦が見える。まさしく圧巻の光景である。

 今のところはオーバード教の姿は見えないが、だからといって油断はできない。おそらく奇襲してくるのだろう。それはらば戦術的にも理にかなっている。

 僕たちは戦闘が始まるまで戦闘準備を終えていた。いつでも出撃して迎撃できる。刻一刻と戦闘が始まるまで待ちながら、ついにその時がやってきた。

「全機発進。皆さん、無事に生き残ってください」

『了解』

 そして次々と順次機体が発進していく。そして全機発進して、迫りくるであろうUEの迎撃に備える。僕たちが準備を完了してから数分後に大量のUEが縦横無尽にやってきた。

『各員迎撃開始。一匹足りとも逃がすな!』

 戦いの火蓋が落とされた。僕たちの方にもこれまでに見たこともない――ゲームを除いてだが――敵の数が迫りくる。

「この程度、ゲームに比べれば!」

 僕は内心にある恐怖に飲まれないように声を出した。虚勢だが、それでもゲーム内では大規模戦闘においても無事に生き残ってきた。それで自分を支えないとダメな気がしたからだ。

 幸いにもオーバード教はまだ現れてはいない。だからこそ今のうちに一匹でも多くのUEを倒しておきたい。

「これからより近くに接近する。氷上、児玉、援護とフォローを頼む」

『了解』

 僕はブーストをかけて敵陣へと入っていく。敵の攻撃を回避しつつ、手に持っている兵装リエディエの射撃モードで反撃していく。背後からは二人の援護射撃をしているのが、UEの被弾からよくわかる。

「僕は、僕たちはキングだー!」

 僕は自分を鼓舞するために声を張り上げながら、UEに向けて攻撃を行う。このまま無事に行けば、問題ない。いける、僕たちはこの戦いを無事に生き残れる、とそう思ったときだった。

『突如としてワープ反応! 識別照合開始……こ、これはUEとオーバード教です』

 奴らがやってきたのか、彼らんの出現位置を確認する。こころなしか僕たちのところに近い場所だ。

『こ、これは、更に未確認のUEの反応もあります。あまりにも巨大な反応です。気をつけてください』

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オーバードフレーム 門之倉樟 @kadonokura

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