第4話 一方通行と危険
「最近自分の周りで危ないことが起きてるの」
朝の教室から不機嫌顔をする一時停止。
「なにかあったの?」
その横で優しく微笑む最低速度。
「またなにかやらかしたのでは」
小ばかにした言い方をする最高速度。
「違うのなんだかこの頃、急に空から物が降ってきたり、人が飛び込んで来たりするの」
「それは大変だね」
「それなら周りをよく見て気を付ければいいのよ」
「そうしているんだけどうお!?」
話している途中一時停止の頭にサッカーボールが落ちてきた。
それもどこからともなく。
「痛ーい!なんなの自分がなにしたの!」
「これは呪いね」
「呪い?」
最高速度言ったことに首を傾げる最低速度。
「え、なんで呪われるの!」
「またなにかやったのでは?」
「やってないよなにも、速度さんは自分をなんだと思っているの!」
「バカな子」
「ひどーい」
仲よさそうな三人を遠くから見る二人の影。
「唐突なことには能力は使えないっと」
「彼女は面白い」
不敵な笑みをみせる二人。
「えーと停止ちゃんはあの二人と知り合い?」
「ほえ?あの二人」
最低速度はドアの向こうで不敵な笑みを見せる二人に指をさしていた。
「うーん知らない」
「いや知らないじゃないでしょあなた。一人は同じクラスでしょ」
「あ、そうなの忘れてた」
「周りを見てないのがこれで良くわかったわ」
ため息をつきながらも二人に近づく最高速度。
「それであなた達は何者なの」
「「あ……」」
「えーと私は停止さんの能力を調べてまして、名前は園田 危険《そのた きけん》と言います」
「つうーは隣のクラスの一方 通行《いっぽう つうこう》と言います」
「それでこの最近何かしら起こして停止ちゃんのことを調べていたと」
「「は、はい」」
「正座だけじゃたりないかな」
「「ゆるしてください!!」」
その場で正座させられ最低速度に怒られた二人はその場で土下座をした。
「そんなに怒らないで速度ちゃん、自分はそんなに気にしてないから」
「停止ちゃんが言うなら」
「それで、なんで自分の能力を調べていたの?」
「それは私の能力は何が起きるかわからない危険な能力でして。あ、でも命は危なくないので」
「つうーの能力は物体を何かに当たるまで直進させる能力でして、時々自分にもその能力が発動してしまうので」
「なるほど二人のの能力は停止さんの能力で止めることができる能力ですわね」
「なのでどうか一時停止さんの能力がどこまで発動するのか気になりまして」
「なるほど、そう言うことなら手伝うよ」
「「ありがとうございます!!」」
五人は運動場に出て、園田危険と一方通行の能力を試してみることに。
「それじゃまずは私の能力から」
園田危険は手を上げる。
すると、一時停止顔面にめがけてボールが飛んでくる。
「止まれ!」
一時停止の掛け声でボールはその場で止まり地面に落ちる。
「それじゃ能力の範囲を広げましょう」
最高速度の支持の元始まる能力。
ボールが飛んできたり、鳥が落ちてきたり、どこからともなくタライが降ってきたりと園田危険の能力は厄介なものだった。
「なんとか50mまでは自分の能力が有効範囲だとわかったね」
「はい、これで私の能力を発動時は50m内に一時停止さんがいることが前提になりました」
「う、うん」
なにか違うなと思いながらももう一人の能力を見なければと思い探すと、悲鳴が聞こえた。
「ちょっと止めて!」
「なるほど私の能力で最低速度まで落とすとこうなるのね」
「えーん、足が疲れたからやめて!」
最低速度の能力で遅く走る一方通行の姿があった。
「これ自分じゃなくても止められるね」
最低速度の能力範囲は100mとわかり、一時停止の能力はなにかほっとした。
こうして新しい二人の能力を助けながら学校を後にした。
新しい友達ができ明日が楽しみな一時停止となにか心配な最低速度だった。
標識は正直 二又 正偽 @futaba1131
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます