かもしれないね



なんだったのか

無味のあやまち

それが愛だったり

人生だったり

かもしれないね

たぶん違うけどね


生きています

生きものとして


汗がにじんでしまう人間のからだ

無味と呼べない生きもののつくり

あなたはとかく抱きたがるけれど

そんなにきれいなものじゃないんです

あなたと同類のもののひとつです

だというのに


あなたは何を見ているのか

そして聞いているのか

明かりをつけたがって

うまく声を出させたくて

だから良いように鳴いてみせるけれど

そんな余裕をわたしに与えないほうが正解なので

ねえ、そんなにうつくしいの?

嘘でしょう?


結局わたしは

あなたに脱がされてみせる

無味のあやまち


それが愛だったり

かもしれない

たぶん違う


人間のからだ

無味と呼べない

むしろそれがいいのだと

言われてしまえば白旗

どうぞ

降参の証に

まみれたからだを開きます


愛かもしれない

たぶん違う

ならばあやまち

かもしれなくても

とうに白旗

どうぞ




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