12th area

残念だね



ゆううつな夜に乾いた星空

昼光のマーチが煙雨に濁る

この世界の舞台装置は気まぐれで

月に叢雲花に風

愛には嫉妬がつきもので

優しさは利己と切り離せなくて

情感はそうそうあふれてくれない

わかりきっているというならそうであるし

けれどなんだかな

ちょっと残念だね


あなたには満たされていてほしい

あの子とは仲良くしてほしくない

手料理をふるまいたい気持ちは本当でも

私をうまく震わせてほしい今夜も本当だから

舞台装置にたよらなくても

すっかり自分でつくりだしてる

鮮明さの残り香が漂う朝をふたりで迎えることは

十中八九そうなるだろうとは信じられても

だけどなんだかな

ちょっと切ないね


ゆううつな夜を

覆う雲に雨

そして風

時折の一致

気まぐれな舞台装置に踊らされて

あなたに電話をかけるけれど

こんな時に限って

嫉妬と利己がつながっていたりして

何もそこまで重なってくれなくてもいいのに

理想的な組み合わせ

情感はあふれる

愛も優しさも

あなたの声におぼれることができずに

やるせないよ




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