10th area

朔日



新月を睨んでいる

触れたくなる熱がある

たぶん、おそらく、きっと

そんな浅はかな願いを携えて

祈りさながらに

まるで鮮やかなほどにひとり

夜を見つめている


新月を持て余して

街灯がひとつふたつと映える

まばたきするネオンに

自分を覗いてみる

葉擦れの声音はうららか

騙されはしない

水底に招待するつもりなら

もう少し下心を隠して


願いとはすなわち

あなたなのだと

何もためらわず

隠さずにいられたら

それならばこそ

次の満月を待てたかもしれない

葉擦れはひそまない

私はひとりで

今すぐに欲しい




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