7th area



夏をみわたして

世界のかがやきに

いきをのまされて

とまどう

蝉にもまける矮小なじぶんに思えるから

暑さに押しながされる軽いいのちと思えるから

どうやったって

夏がしめつける

たとえ夕立が熱をやわらげても

どうしたって夏

すこし手加減してはもらえませんか

とてもとても生きにくいのです


サイダーが口にあう季節でしょう

だとして

びんを唇にあてても

透明な泡沫のようには

うつくしくなれないわたし

なんだかばかばかしくないですか


夏にみたされ

いのちがさらされ

ちいさなじぶんを嘆くことさえ

どうにも疎ましくなる

サイダーが口にあう

どうしたって夏




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