俄雨
こうも濡れ鼠で
何色に救いを求められましょうか
生類であることさえも
こうも雨滴に苛まれては
疎ましくて仕方ないのです
さりとて
ここから夜空が望めたとして
それが救済でないことは
とうに承知しております
触れ合う肌も
溶け合う
何らかの色でしかないと
俄雨に打ち克つものではないのだと
青だとして
紅だとして
震える
どれを当てはめ
正誤がどのようにあっても
七色の群青
導かれる
どんな光を得たとしても
それは色
俄雨のもとにあっても
それゆえに
雨粒はすぐに枯れる
淫奔が許され
濡れぬ寂しさが募れば
薄い膜に籠もって
生類として
色に浸かりたくなる
どうせ流れ去る色ならば
尚更に
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