4th area

ミルクコーヒー



結局のところ

ミルクコーヒーばかり選んで

さして後悔もない

そんな生きかたが板について

だからといって

それで後悔を持てあますでもない

甘い流れにさおをさして

水底みなそこにつっかかる

一時いっときの後悔はそこかしこに浮かんでも

たわいなく消えていく

泡沫のように


喉元を過ぎるミルクコーヒーには

カルシウムが入っているそうで

もういくらか骨が丈夫でなければ

一切を嘆けたのでしょうか

それはしあわせなのですか


夏蝉が生きしきるなかで

甘い缶コーヒーを片手に

あぶくの身をたしなむ

水底からぬけない棹をうち捨てて

泳いでみようかとも思う




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