終章 若きヴァニュハルの燕

終章 若きヴァニュハルの燕

市民会館。

杉三「いいか、絶対に気にしちゃだめだからな。その交響曲をしっかり届けることだけに集中すればいいからね。それだけだからね。」

友助「そうですけど、怖いですよ。皆さん冷たい目で見るんじゃないでしょうか?」

杉三「いいんだよ。若きヴァニュハル君。曲を書いているときは、少なくとも障害者ではなくなっているはずだよ。」

友助「本当にいいんですかねえ。」

杉三「いいにきまってらあ。」

蘭「ほんとは、水穂みたいな、音楽に対して専門的な知識がある人が同行したほうがいいんだけどね。ごめんね、役に立たなくて。」

杉三「でも水穂さんは、しばらく動いてはいけないと言われたんでしょ。お医者さんから。」

蘭「そうだけど、僕みたいなのでは、交響曲のことなんて、さっぱりわからないし。」

杉三「いらないよ、知識なんて。単に美しいと貫き通せばそれでいいの。音楽なんてそんなもんだよ。」

蘭「杉ちゃんだけだよ、そんなでかい台詞が言えるのは。」

杉三「はい、馬鹿ですからねえ。」

蘭「あんまり馬鹿馬鹿言うもんじゃないよ。」

杉三「だってそうじゃないか。」

蘭「何をいってもだめだなあ。」

友助「お二人とも、なんだか漫才でもできそうなきがする。」

杉三「うるさい。それより場所はどこだっけ?」

蘭「ちょっと待って。確認するから。水穂から教えてもらったけど、あまりにも広すぎてわかんないや。」

と、案内板を確認する。

蘭「この角を曲がってこういくのか。本当にわかんない。」

と、前方から人が歩いてくるおとがする。

杉三「あ、職員さんかな?ちょうどいい、ちょっと聞いてみようぜ。」

勝手にいってしまう杉三。

蘭「杉ちゃん、待て!職員さんじゃなくて、指揮の先生じゃないか。」

しかし聞こえなかったらしい。

杉三「すいません、合奏団明星の本拠地はどこ?」

コンダクター「どうもどうも、来てくれたんですか。」

杉三「そうだよ。若きヴァニュハル君が交響曲第二番のスコアを持ってきたよ。僕は付き添い。今日はどうぞよろしくです。」

友助「あ、もう言われてしまった。」

杉三「ここで帰ろう何て言わせないぜ。はやくいこうよ。」

友助「そ、そうですけど、」

杉三「なんだ、まだ怖いの?」

友助「いや、しでかしたことがしでかしたことですから、」

杉三「こだわりすぎも、よい結果を生まないぜ。」

蘭「そうじゃなくてさ、辞令的な挨拶も抜きに、いきなりそういうことを平気で、しかもなんにも悪びれずに言えちゃうのがすごいよ。ある意味。」

杉三「だから、要らないものは要らないんだよ。」

蘭「うーん、一般的なこととしてさ。」

杉三「余分なものはいらないから、早くいこうぜ。蘭が案内板をいくら見てもわからないというし、僕も読み書きはできないから、いつまでたっても、本拠地までたどり着けないので、僕と、蘭と、若きヴァニュハル君と、お宅の本拠地まで、連れていってください。」

コンダクター「はい、わかりました。皆さん待っていますから、来てくださいね。こちらですよ。」

杉三「うん、よろしく頼むよ。この市民会館は、あんまりにも広々しすぎてよくわからない。」

コンダクター「はい、こちらにいらしてください。」

と、練習室の方角へ歩いていく。

杉三は堂堂と、あとの二人はかちこちに緊張してついていく。

やがて、合奏団明星と貼り紙がしてある扉の前にやってきた。友助は、震えが出るほど緊張しているが、杉三は、まるで平気だった。コンダクターが、重たい防音扉をあけると、中では、楽団員たちが楽器を調絃しているのがみえた。みんな高齢者ばかりだが、なかには何人かそれまで見かけなかった人もいる。

コンダクター「この間、スーパーマーケットの掲示板に団員募集の貼り紙をしたら、見てくれたようで、今月から五人の方が新しく来てくれました。なかにはバイオリンを60年習っているという大ベテランの方もいて、心強いですよ。」

杉三「あ、なるほど。そうなるとバイオリンのソロは、彼にやってもらえばいいのか。」

コンダクター「そうですね。でも、あんまり技巧的なソロですと、お客さんに取っつきにくい印象も与えてしまいますからな。」

杉三「たしかにそうかもしれないね。」

友助は、団員さんたちを見渡した。たしかにバイオリンのおじいさんは、とても上手そうで安心といえば安心だ。でも、友助が、今回、ソロをやってもらおうと思っていた人物は、そこにはいなかった。

友助「あ、、、。」

杉三「どうしたんだ?」

友助「いないんですよ。」

杉三「誰が?ああ、君の思い人は、お母さんの下へ帰っていったよ。」

友助「と、いうことは、ここにはいないというわけですか。」

杉三「そういう事だね。」

友助「そうですか。惜しいことをしましたね。」

杉三「まあ、しょうがないよね。」

友助は少し考えて、一瞬頭を前に垂らすが、すぐ首を強く振って、

友助「いや、頑張って忘れるようにします。」

と、小さいけど強く言った。

コンダクター「どれ、スコアを拝見させてもらいましょうか。」

友助「はい、このファイルに入れてあります。ちょっと、花吹雪よりも若干短いですけど、ちゃんと、四楽章まで作ってあります。」

と、ファイルを手渡す。

団員たちも、興味深そうに見る。

友助「気に入ってくれるといいのですが。」

第一楽章は、ひたすらに悲しい旋律であった。ただ、自分をせめて、手を着いて謝罪をしているような雰囲気の音楽である。柔らかい音楽で、混沌としたものはないが、前述したとおり、悲しいのである。

コンダクター「なるほど。調性は、ロ短調ですか、なんとなく未完成交響曲に似てますな。それに、今回は、重いというより物悲しい感じで、何か、辛い中一人でバイオリンを弾いているような感じですね。ちょっと、第二楽章のソロを弾いてみてくれますかな。」

バイオリンの経歴の長いおじいさんが、第二楽章におけるバイオリンのソロを弾く。

同じように、悲しい旋律である。なんだか砂漠の中で一人寂しくバイオリンを弾いているような感じ。

第三楽章はスケルツオではなくメヌエットを採用していたが、なんだか悲しみの中無理やり踊らされているようなメヌエットだった。

終楽章はロンド形式で、力強さというものはなかったものの、自分を無理やり奮い立たせて、辛い現実に立ち向かっていくという様子が見られる音楽になっていた。

コンダクター「以前は、並行調で終わっていますが、今回は一楽章と同じ調なんですか。あまり例のない終わり方ですな。」

友助「じゃあ、やっぱりこの曲は無理なのでしょうか。」

コンダクター「いや、それはありませんね。逆を言えば素晴らしいです。ここまで悲しい旋律ですが、第四楽章で、立ち向かおうとする姿勢が感じられます。人間誰でもそういう事はありますから、若い人がこういう音楽を作れることはやっぱりすごいですよ。きっと、壁にぶつかったら、誰でも聞きたくなるような音楽だと思います。」

杉三「じゃあ、使ってくれるんだね。」

コンダクター「勿論です。これから、なにか演奏があるごとに依頼をしていきますから、連絡先などを教えていただけませんかな。」

杉三「ほら、早く出せ!」

友助「連絡先、と言いますと電話番号?」

コンダクター「そうですなあ。私どもは年寄りばかりですから、メールというやり方は、苦手ですな。」

友助「わかりました。電話番号、お伝えします。何か書くものを貸していただけないでしょうか。」

杉三「なんだ、何も持ってきてなかったの?」

友助「ええ、もう契約は終わりになると思っていたから。」

笑ってしまう団員達。

杉三「笑わないで貸してやってくれませんかね。」

ビオラを弾いていたおばあさんが、彼にボールペンとメモ用紙を貸してくれた。

友助は、丁寧な字で、自分の名前と住所と電話番号を書く。

コンダクター「それでは、何か書いてほしい曲がありましたら、お電話しますから、よろしく頼みますよ。それ以外にも、曲の事で聞きたいことが出てきたら、その都度呼び出しますし、それ以外に曲のイメージが合致するかどうかなどで、指示をお願いするかもしれないから、そうなったら、いつでも出てこれるようにしてください。」

友助「わかりました。本当にありがとうございます!」

杉三「よし!就職決定だね!」

友助「はい。」

楽団員からも拍手が起こった。

その後、楽団員全員による、交響曲だけでなく、数人の楽団員によるアンサンブル曲も依頼されるようになった友助は、書けば報酬を得られるようになったので、そこそこ暮らしていけるようになった。実家を離れることはできなかったが、その中では比較的高収入と言えるかもしれない。


清華は、母麗華と一緒に箏の社中の一人として活動していた。

時に、母の指示に従って、舞台演奏だけではなく、小さな老人施設などでも演奏した。時に、老人施設の利用者から、仕事をしているのかと聞かれると、母が自分の会の後継者にするのだと説明してくれた。それは、変な人とかなまけているなどという人も多少いるけれど、大体の人は、お母さんに従って偉いとか、そのほうが賢明だから頑張れという人がほとんどであった。はじめのころは自立したいと思ったこともあったが、そのたびに母にこのほうが安全だと叱責されて、また彼女自身も症状が現れるたびに、このほうが安全だと思い知らされて、自分にはこういう生き方しかできないのだと、何回も自分に言い聞かせているうちに、昔の恋人のことなど忘れてしまったのであった。


杉三の家。

友助と、杉三、蘭が食事をしている。

杉三「いったいどうしたの。やっと人並みに暮らせるようになったのに、喜ばないの?」

友助「喜んでいないというわけではないのですが。」

蘭「金銭的には問題ないんですから、実家暮らしでも大丈夫なのでは?それとも、やっぱり、若い男性が、いつまでも実家にいるのは、おかしいと思いますか?」

杉三「じゃあ、僕みたいなのはどうなるんだ?」

蘭「杉ちゃんとは話が違うよ。」

杉三「僕はこの家を離れることはできないからねえ。そうなると、やっぱり馬鹿ということになるのかな。」

蘭「でも、家を出たいっていう事は、基本的なことはすべてできるようになったから発生する感情だと思うので、ある意味贅沢ですよね。それは、ちゃんと覚えていてくださいね。」

杉三「まあ、それでも生じちゃうのは若者というものだ。」

友助「違いますよ、杉ちゃん。僕はここを離れて運試しをしようとか、そんな気持ちは毛頭ありませんよ。事実、こんな人間を受け入れてくれるところがあっただけでも奇跡ですよ。ただ、どうしてもこれだけは解決できない問題があって、それをどうしたらいいかってことをお話に来たんですよ。」

杉三「へえ、どういう事だ。」

友助「時折思い出すんですよ。」

杉三「何を?」

友助「あの人は、どうしているかなって。」

杉三「誰の事だ?」

友助「あの、清華さんです。もともと交響曲第二番のバイオリンのソロは、彼女に弾いてもらおうかと思っていましたので、比較的易しく書いたのですけど。」

杉三「確かに、それがあんな爺様にやってもらうことになるのはつらいよねえ。メロディから言っても、美女のほうが明らかに似合いそうだよね。あの甘ったるい感じはそうだと思ったよ。」

蘭「なんだ、あんな悲しいのに甘ったるいの?」

杉三「うん。そういうところもあるんだよ。だから、爺さんより美女のほうがうまく映えるの!」

蘭「でも、仕方ないんじゃないですか、それは。まあ確かに特定の人に向けて、美しいメロディが書かれているという音楽は、非常に多いけどさ。」

杉三「作曲者にしてみればつらいよな。それって。」

友助「はい、ものすごく。」

杉三「だよねえ。僕もわかるなあ。」

蘭「初演だって、あれだけ成功したのに、まだ不満だったのね。」

杉三「まあ、蘭みたいになんでも理屈で判断する人にはわからないだろうね。こういうもどかしいというか、切ないというか。ましてや作曲家だもん。そういう気持ちが残るのもある意味当たり前ってもんよ。」

蘭「杉ちゃんこそ、なんでわかるんだ。」

杉三「だってそうじゃないか。いろんな人の交響曲を聞けば、そういう要素はいっぱい入ってらあ。もし、具体的に誰のがいいとかは、水穂さんに聞いてみな。」

蘭「あーあ、音楽は難しい。」

友助「実は僕、今行き詰っていて。」

杉三「へ!大丈夫?」

友助「ええ、、、。まあ体調が悪いわけではないんですけどね。今度、楽団員さんが、子供を支援する施設で演奏するので、そのための弦楽四重奏曲を書かなきゃならないんですが。子供さん向きの明るいメロディがどうしてもかけないんですよ。」

蘭「そういう事はわからないから、水穂に聞いてくれよ。」

友助「そうかもしれませんが、青柳先生に叱責されてしまうのではないかなと思うので、怖くていけないんです。」

杉三「確かに教授は厳しいよね。原住民と言葉を交わすには、厳しさも必要だもんね。」

蘭「それは関係ないよ。」

友助「どうしても、過去を振り返るような音楽になってしまうんですよ。子供さんというのは、そういうものではないでしょう。ひたすら前を向いて、明るく生きているのが子供さんだから、そういう音楽を書いてくれと言われているんですが。さんざんやってみましたがわかりません。」

蘭「まあ、職業としてやっていくと、何か壁に当たるのは仕方ない気がするけどね。」

杉三「じゃあ、何とかして前向きな音楽を作れるようになってもらわないといかんなあ。それって、単に和声的なことだけでは解決しないよね。音楽ってさ、理論でできるもんじゃないから。だって、その理論だって、美しいと思ったから確立されたわけだしね。」

蘭「余計にわからなくなるよ。」

杉三「確かに、水穂さんには、音楽の理論的なことを教えてもらうことは可能かもしれないが、曲自体の雰囲気をガラッと変えるためには、意識改革が必要だよね。」

友助「はい、だから相談に来たわけです。どうしても彼女を忘れられないから、前向きになれない。」

杉三「そうだねえ。確かに、ショパンの晩年の音楽はひたすらに暗いが、それと一緒だよねえ。」

友助「はい。そうじゃなくて、もっと活気にあふれた音楽を作ってくれと言われるんですが、どうしてもできなくて。」

杉三「なるほどねえ。昔の恋人かあ。」

友助「そうなんですよ。きっとそれくらい、彼女は比重が大きかった人だと思います。現に他にも女性の方はいますけど、あそこまで綺麗な人はいませんでしたよ。あ、これはね、たぶん杉ちゃんならわかると思いますけど、単に美人だったというわけではないですよ。そういう意味じゃなくて。」

杉三「わかるよ。水穂さんが、人目を惹くほどの美男子であるのとはまた違う。」

蘭「テレビでも見れば、彼女よりも綺麗な人はいろいろいるんじゃないの?女優さんとかさ。」

杉三「もう!蘭も鈍いなあ。そういう事ではないんだな。もちろん、容姿だけで言ったら彼女より綺麗な人はなんぼでもいるよ。でも、そうじゃなくて、友助さんを引き付けるほどのきれいさを持っている女性はいないということだ。蘭は鈍いからわからなくても仕方ないよね。」

蘭「杉ちゃんのその解釈の仕方もわからないよ。」

杉三「ま、彼が今までのような大恋愛をすることは二度とないだろう。彼が意識改革を決行しなかったら、だ。まず大前提として、古いものを出さなければ新しいものは入らないから。」蘭「だったら忘れるしかないのでは?」

杉三「無理だねえ。ブラームスは一生結婚しなかったし、もっと古い例では、ランスロは、ジェニファーを一生忘れることはできないで、最後は自殺しているでしょ。」

蘭「それはいつの話だよ。」

杉三「名君主、アーサー王の時代。」

蘭「杉ちゃんって、文字は覚えられないのに、そういう事はなんで知っているんだろうな。」

杉三「知らない。ただの馬鹿なだけだい。」

友助「本当に面白い方ですね。一生懸命僕の事を笑わせようとしてくれているのはわかるんですが、僕、そうなることは今、ちょっとできないですよ。意識改革なんて、二度とできないような気がするんです。なんか、鉄の塊でも、背負っているような気分ですよ。」

杉三「だったら今すぐ何とかしなきゃならんな。なあ、今日ってこの後予約入っている?」

蘭「な、なに、藪から棒に!」

杉三「だから、予約があるのかないのかを聞いているんだ。」

蘭「ああ、刺青のことね。当分ないんじゃないの。」

杉三「ようし!じゃあさ、こいつにさ、夫婦円満のしるしでも彫ってあげてもらえんだろうか。」

蘭「夫婦円満?」

杉三「まあ、恋自体は実らなかったが、決着がついたことにしないと、意識改革はできないと思うんだ。そのためには、彼女の象徴のようなものを体に描くのも、一つの手だと思うよ。頭の中に叩き込んでおくなんて、こう人には無理なところもあるよ。だから、画像として体の一部に入れておく。それで何とか意識改革につながってほしい。」

蘭「そうか、確かに、うちに来てくれたお客さんで、亡くなったお母さんがうんと好きだった菊の花を彫ってと言ってきた人がいたな。そうすれば、母がいつまでもそばにいてくれて、私を慰めてくれるような気がするって。それと同じかな。」

杉三「その通り!人間、視覚で訴えるのが、一番効果ありなのよ!だから頼む!彼女が一番好きだったものを!」

蘭「わかったよ。でも、何をすればいいのかな。」

友助「一度、病院の庭を散歩していた時なんですが、丁度庭の入り口のドアの近くに、燕が巣をかけていたことがありました。あの時、看護師さんたちが撤去しようとしていたのですが、彼女は、かわいそうだと言って、泣いていたこともあったんですよ。そこが非常に印象に残りましたね。」

杉三「よし、わかった!燕というと、商売繁盛のしるしにもなるし、燕の巣がある家は安全と言われることもあると聞いたぞ。幸せ王子の小説もあり、決して悪いものではないだろう。こればっかりは、貧乏くじではないからね。」

蘭「なるほどね。杉ちゃんの発言は、あてずっぽうもあるが、意外にそうでないこともある。よし、そうするか。じゃあ、僕の仕事場にちょっときてくれます?何も怖いことはないですから。まあ、多少痛いかもしれないですけど、世間話でもしていてくれればそれでいいです。」

友助「はい、わかりました。お願いします!」

へやを出て行く、友助と蘭。


数日後。

机に向かい、曲を書き始める友助。

右ひじから下に描かれた、桜の木に止まっている燕が、そっと若きヴァニュハルの作曲ぶりを見守っていた。


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杉と燕とヴァニュハルと 増田朋美 @masubuchi4996

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