応援コメント

鰯の渓、涙嚢の沼」への応援コメント

  •  第一連から、ガツンと来ました。
     そして、連を重ねるごとに、まるで抽象画のようなイメージが幾重にも交錯していく。
     折りに触れ、繰りかえし読みたい詩です。

    作者からの返信

    すみません、コメントありがとうございます。
    これは、最近好きな漫画に鰯谷という名前の大工さんが出てくるのですが、それを読みながら「ふーん鰯の谷かぁ~生臭そう~」とかぼんやり思いつつ書いた代物です。
    あとなんとなくですが、ポーの「不安の谷間」を意識した気もします(書きながらというより、書いてから「これってアレかぁ~」と気づいた感じです)。

    人間の住んでいない
    無言の谷が
    昔はほほえんだ。
    人々は優しく光る星を頼りに
    夜毎に、彼等の淡青の塔から
    花の群を見張しようと
    戦の庭に出かけた。
    花の真中に日もすがら
    赤い太陽がものうげに横たわる。
    いまは訪客(まろうど)は悉く
    悲しい谷間の不安を告白するであろう。
    そこには何ものも動かないものはない――
    怪しい孤独の上を覆う
    大気の外は何ものも。
    ああ、朧のヘブリディズのまわり
    冷海のように慄えている木々は
    ふく風に揺られることもなく。
    ああ、名もない墓に
    揺れ、泣いている百合の上――
    無数の形の人間の目のよう
    よこたわる菫の上に――
    曙から夜更まで、絶間なく
    不安の空を、さらさらと流れる雲は
    風たえて吹かれることもなく。
    花は揺れる――その芳しい項から
    永遠の露が、滴り落ちる。
    花はなげく――細やかな茎から
    永久(とこしえ)の涙が宝石となって、降る。

    とりあえず忙しいのは今月をめどに落ち着く感じなので、日常生活のほうもなんとかやり過ごしていきたいです。
    今のところまだ路上で裸になって包丁振り回したりはしていないので、正常な精神状態をキープできるように頑張ります。