星から降る星

星から降る★のせいで地上は抜け落ちたティッシュペーパーと

去勢されたビニール傘と万年筆の遺骸でいっぱいだから

明日の気象予報が昨晩の小規模な戦闘を伝えそこねる


真っ黒な戦旗が棄民のステクチャに敬礼しました

初春のぬるさが生き物の吐息に身をやつし

書生が学徒になるころには

香油を塗られた葉桜がぎらぎらと笑っていました


真冬のきりりと光る釘穴は遠い銀河の獣の連座と

演習した夏の昼下がりは五才の頃

地上のがらくたをよそよそしく見下ろし

二十億光年先から迷子のままで

いくら降っても殖えも減りもせず

眼を凝らせば瞬きを取り落とした


交接は続く

マスキングテープの向こうで

夜になると気象予報士が告げる

「明日は晴れるでしょう明後日も★★億年後も」

繁殖と殲滅は続く

窓外で森がゆれて

夜を青くする、している

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