補足・神仙思想
中国には古来より神仙思想がある。
中国の東海にはユートピアがあるという伝説だ。
「東夷伝」の「倭」について書かれている箇所で、「其の人寿考、或は百年、或は、八、九十年。…婦人淫せず、妒忌せず、盗窃せず、諍訟少なし」と書いてある。(その国の人達の寿命は百年くらいで、八十歳、九十歳の人はざらである。女性は淫らではなく、嫉妬したり、盗みを働いたりしないので訴訟は殆ど無い)
その他にも古代中国では東方の海上に長寿の国、或いは不老長寿の国があると信じられてきた。
こういう思想が「浦島太郎」に影響しているという学説が古代文学の文壇では有力だ。
これは「浦島太郎」だけではなく、年代的に見て卑弥呼の時代まで遡る故、邪馬台国伝説にも通じるものがあるだろう。
これはSF・ファンタジー好きな人間には味気ない話のような気がするが、作者によっては面白い話になるのではないかと思って、あえて書いてみた。
日本か、日本の東に仙人、仙女が暮らす国があるというのはファンタスティックな話だ。
竜宮城は太陽系外の天体などではなく、太平洋上にある超高度文明があって、その国の人はうんざりするほど寿命が長くて、21世紀の地球より遥かに進んだ科学を手に入れていた、というのも面白いアイデアじゃないだろうか。
「浦島太郎」には他にも諸説が多数ある。
アメリカの「リップ・ヴァン・リップル」やケルト神話の「ティル・ナ・ノーグ」等の似たような話も海外に存在するので、ウィキペディア等で検索すると面白い話も出てくるかもしれない。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
もし、私の拙文を読んで、「習作・浦島太郎」を書いてみたいと執筆意欲が湧いて頂けたら幸いです。
実際に執筆し、カクヨムに投稿して頂ければ尚嬉しい限りです。
SF習作教本 ── 浦島太郎編 相生薫 @kaz19
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