「お外で音楽を聴くときはイヤホンで」

中田祐三

第1話

 

 家で聞いていた『ラジヲ』をマイリスト『ラップ』に切り替えて『アクティブ』に『プロジェクト』を始める。


 『何でそんなに』酒が飲みたくなるのか? 飲み始めはマズイなと思っているのに深くかけしこめば、すっかり恋しくなってしまう。



 そしてその恋しさは男女の間と同じように多少の障害など燃え上がる小枝のような存在になってしまうのだ。


「うっゎ~、さみぃ……」


 マンションを出ると自然とこんな声が出てしまう。


 しかし一度ガチリと歯を鳴らして道路に下りてみると、なんだかそんな苦境に降りている自分を誇りたくなってしまうのが不思議だ。


 

 まったくお酒は怖い。


 普段なら思わないことが湧き上がる。


 ああ~、宝くじ当たったら何に使おうかなとか?


 気分を『ファンキーグラマラス』に上げるために頼むぜ『ドクターk』と呟いた。


 次の信号にたどり着いて右手のソラマメ畑を見ながらシャッフルしていると『栽培マン』を思い出した。


 モッスにしようかな? 『テリヤキチキンバーガ』が食べたくなったけれど、さすがにこの時間に『テリヤキソースはしつこくね?』


「…………」


 重くなった胃を抑え、『心躍る』想像へと切りかえる。


「やっと見えてきたわ~」


 道を曲がった先にコンビニの看板が見える。 


 安酒に足元を揺らされていると気分はとても楽しくて『幸せで手を叩きたくなる』


 目的のセブンの駐車場に入ったところでイヤホンを外す

 田舎の夜中最大の光源、コンビニ様に引き寄せられるのは虫だけじゃなくて人間も同様だ。 広めにとった駐車場には配送のトラックや社用者、そして自家用車が散在していた。


 ワックスをかけて少し滑るであろう床に備えて一度足並みをそろえる。


 生身なのに機械以上に生命感のない「いらっしゃいませ」に心の中で片手をあげる。 なんとなくこんな時間に来てしまった負け犬なりの最大限の敬意だ。


 

 家の中に何本も転がっている酒瓶と同じ種類を購入して店を出る。

 

「ふ~、ここからが『中盤戦』だな」


 歩き出したときにはすでにイヤホンは装着されて選曲も完了していた。



 『中盤戦』を終えたところで酔いが少しさめて落ちこみはじめる。


 『夢はかなうそんな言葉を無邪気に信じてたらこんな大人になって……』


 耳元で誰かが囁くその一節にドキリとさせられた。

 

 いかん、気分を上げないと……自室に戻って『GOOD TIME』にするためにはこんなところで落ちてられない。 


 気分を『ONCE AGAIN』 しないと……。


 とか行ってる間にもう家の玄関前。


 これ、独身男の悲しい性能……。 歩く速度が年々早くなる。 はは、なかなか直らないんだよね……これ。

 

 さてとこれで買い物兼散歩兼酔い覚ましは済んだ。


 次はちびりちびりロックで飲む『アマチュアリズムに、レボリューション』を起こすように酔うとしよう。


 袋から見慣れたビンを取り出してイヤホンを外す。 音楽はもう沢山だ。

 『ゼロ』で最後にするとしよう。

 

 ふと瞳を閉じ、『今この瞬間誰かが生まれたのだ』と思うと少し嬉しくなってしまった。


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「お外で音楽を聴くときはイヤホンで」 中田祐三 @syousetugaki123456

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