ジャンピング・ジャック・ガール  (完)

作者さま:mikio

キーワード:ミステリー 事件 高校生


あらすじ

女子高生「川原鮎」は早朝の通学路でマンションから人が転落するのを目撃してしまう。転落したのは同じ高校の生徒。彼の携帯電話には『ジャンピング・ジャック』を名乗る人物からの謎めいたメールが届いていた。そして事件の謎に迫るうち、他にも4人の高校生が同じような転落死していることを突き止めるのだが……


感想

本格青春ミステリー。テンポの良い文章で読みやすい。男女の2人組が聞き込みと推理を通して事件の真相を探っていく。


~~~


「え? え?!」


 気がつけば、男は窓枠にお腹を乗せて、青空の下にだらりと首を垂らしていた。かろうじて落ちずに済んでいるのは、室内に残っている下半身が引っかかりになっているからだろう。


 しかし、あたしが推測した時にはもう、男の下半身はくるりと回転して、窓の外に飛び出していた。


 寄る辺を失った男は、重力に導かれるまま下へ下へと落ちていき、そして、そうして――。


~~~


個人的に、この作品の本領発揮は8章の謎解きパートだと思います。ぶっちゃけ途中までの展開はそこまで印象に残りませんでした。

しかし、8章はすごい。非常に緊張感があり、肌がピリピリしてくる素晴らしい展開だと思います。

ネタバレになるから詳しく書けないんですが、逆転するんですよねぇ。これがすごく良い。背筋がゾクゾク。

私は普段推理小説を読まないんで当てになりませんが、少なくとも私の読んできた中ではベストの推理シーンです。


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深夜。父母が眠りに就くのを見計らって、あたしは自分の部屋を出た。




 そろそろと階段を下りて、癌細胞の住む部屋へと歩を進めると、扉越しにうっすらと光が漏れ出ているのがわかった。カタカタとパソコンのキーボードを叩く音も聞こえてくる。寝ていたら起こすのが手間だなと思っていたが、今日も今日とて昼夜逆転のだらしない生活を送っているようだ。


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いや、ほんとすばらしい。この8章を読み終わってから見直すと印象が変わるシーンが結構あります。

こういう構成を思い付くのは作者さまのセンスでしょう。ひねりの効いた推理小説です。


状態:完結

文字数:114,984文字


個人的高評価ポイント

◎ 高い完成度!


作品URL

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154887061

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