作者さま：板野かも

キーワード：ブラック企業　法律　弁護士　人間ドラマ

あらすじ

弁護士「白山白狼」、金儲けよりもブラック企業根絶と被害者救済を優先する法曹界の変わり者。不当解雇に、サービス残業、労災隠し。違法企業を叩き潰すため今日も白スーツで街を駆ける！

感想

とてもリアルなブラック企業の数々。そして、それを分かりやすい説明とスカッとする啖呵で叩きのめしていく！　痛快な法律人間ドラマ。

主人公「白山白狼」が中々に濃くて良い味してます。固くて重いストーリー展開に楽しさと笑いを加えて読みやすくしてるのは上手い。

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「そう、俺のファーストネームの白狼（はくろう）は『白い狼おおかみ』と書くのさ。研ぎ澄まされた嗅覚でブラック企業を追い詰め、怒りの牙を突き立てる正義の獣！　法曹界のホワイトウルフと恐れられたこの俺の力、頼りにしたくはないか」

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「さあ、入りたまえ。労働者の生命・権利・財産を守る白亜のシェルターにして、ブラック企業を爆撃殲滅せんめつする正義のミサイル基地、ホワイトウルフ法律事務所だ。キミの来訪を心から歓迎する」

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この力強いセリフ回し！　作者さまの表現力を感じます。

そして、一緒に戦ってくれる有能で親切な弁護士、こういうのが現実的な「正義の味方」ですよねぇ。

現代社会に怪人はいない、しかし悪の組織は存在する！　それはブラック企業！　「白山白狼」のキャラ造形と合わせてみると、これは「大人のヒーロー作品」なんでしょう。

もちろんキャラクター要素だけでなく法律知識も本格的かつ分かりやすい。お仕事ものとして高品質。

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「就業規則を従業員のいつでも見られる状態に置いていたかということです。書類として配るとか、社内のわかりやすい場所に置いてあるだとか。周知義務をご存じない訳ではないですよね」

「……就業規則は、ちゃんと労基署に出してますよ」

「それだけですか？　従業員が就業規則を確認したいと言ってきたとき、会社ではどうしているんです？」

「それは……これまでそういうことを言い出す社員は居なかったので」

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読んでると色々と勉強になっちゃいます。私が過去にいたところも色々と雑にやってたような（白目）　読者さまのところは大丈夫でしょうか……？

テンポがよく爽快。クオリティの高い人間ドラマ作品です。

状態：完結

文字数：112,554文字

作品URL

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