第20話「心のかたち人のかたち」
ずいぶんお待たせしました。
すいません、もうね、語ること全部語ってしまった感じなんですよね。
しかもこの回は、このエヴァゆるのために見直したにもかかわらず、なお印象が薄いかいということで、どうやって語ったらいいものか悩みます。
さすがにもう一回見直すのもだるいし……
ということである一点に絞るしかないわけですね。
それはもちろん、加持とミサトのセックスシーンなわけです。
いやあ、衝撃でした。
6時半からのアニメでまさか、直接場面を映してないとはいえ、セックスシーンを表現してしまうとは……
今でこそ、珍しくなくなったような気がしますが、当時はまじかあって感じ。純粋だったハイロック少年はあれを腕相撲してるのだと思ってましたよ(真顔)
その後、少女革命ウテナでも、ウテナの処女喪失シーンを描いたりしてて、水曜6時台のアニメは当時いろいろ試してましたね。
そういや同時期位の少女漫画、ふしぎ遊戯はもっとエロかったイメージ。
それにしても、ミサトと加持の絡みはなぜか妙に昭和なんですよね。場所も、現代風のラブホって感じじゃないし、ベッドじゃなくて布団。
なんというか、中年の不倫カップルが利用しそうな、かれはてたホテルでやってる感じ。あるでしょう? 地方に行くと、わけのわからないところにひっそり立ってるやつ、名前が和風のラブホテル。
あんな感じですね、高速のインターの近くに立ってるやつとは一味も二味も違う。
そのポジションで二人を絡ませる理由とは一体何なのか。
今回の考察はそこにある。
そうやって考えると実は背徳感の演出なのかもしれない。
ミサトは独身だし全くフラットなんで、加持との恋愛は自由なはずなのだが、アスカとシンジ君の保護者であるという立場である以上、何らかの裏切りを感じてたのかもしれない。
劇中、ミサトは「リツコは今頃軽蔑してるわね」というセリフがあるが、あれはリツコに対する思いではなく、シンジに対する思いであると解するのが妥当であろう。
ましてや、ミサトはシンジの無事がわかってすぐ性行為に走ったのだ。
自分を戒めたいという思いがあったのかもしれない。
それが、ホテルの場所をあんなさびれた空間にした理由なのではないか。
さびれたホテルで行う性行為の背徳感、まるで中年不倫カップルのような。
それは決してピカピカのラブホテルではいけなかった。
それにしても相変わらずカジのトレンディドラマ感はやばい。
上記のミサトのセリフの返しが
「情欲におぼれたほうが人間としてリアルだ」
というわかるんだかわからないんだかわからないようなものだ。
ミサトの思いを否定するのでなく、ただただ肯定して受け止めるという行為は、まさにバブル期のヤサ男、やりちん男を代表しているようである。
これがあかほりさとるの男キャラなら、「このスケベ女めー」というデリカシーのない言葉をかけるところだ。
「タバコ吸うんだな?」
「普段は吸わないわ、こういうことの後にだけ?だから知ってるのは加持君だけ」
これはミサトさんの数少ないむねきゅんポイントである。
男なら言われてみたい。
わたしを知ってるのは、あなただけよ宣言。
言われたかったんだろうなあ。庵野が……。
庵野の夢がすべてつまったこの回。
この回っていうかラストシーンだけだけどね。
なんとなく昭和歌謡の香りを感じてしまったのは、俺だけなのだろうか。
久々の「エヴァゆる」でした。
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