第12話「奇跡の価値は」
というわけで、「奇跡の価値」まで帰ってまいりました。
なんだか、このエッセイが妙に人気で怖い。書籍化か?書籍化があるのか?
カドカワさん待ってますよ!
ここまでの流れをおさらいすると、シンジ君はまず社会の不条理に向き合ってそれに何とかそれと折り合いをつけるところまで行った。
これが6話まで。
そして8話から11話目まではアスカというアノミーとの出会いである。
※アノミー……今までの自分の中になかった、ルールを打ち破るような不規則因子(あくまでハイロック解釈です)
アノミーとしてのアスカとの付き合い方を書いているのが11話目までで、それに関しては、今までの流れでなんとなくわかってもらえたのではないかと思う。(というよりは改めて見直した結果の俺の解釈がこんな感じである)
なんだかんだでシンジ君はアスカに対して、うまく折り合いをつけながらやっていったっと思う。なんだかんだ以上である、はっきりいって、オタク勢の予想を上回る成果を上げている。
つまり、シンジ君とは希望である。あの扱いづらいギャル代表であるアスカを、スクールカースト低位が少しずつ懐柔していく様は、当時の少年に希望を与えたに違いない。シンジ君がアスカに対してマウントを取っていくことは一部根暗な人間の夢であった。
ちなみに、当時「ツンデレ」などという言葉はまだ存在していない。ゆえに、アスカが当時ツンデレキャラとして認識されていたとは思い辛く、どちらかと言えば乗り越える障壁であったと思う。
さて「奇跡の価値は」である。
劇場版と比べてずいぶんあっさりしてるんだよね、改めてみると。しかも危機感っていうのがかなり薄い。実は結構なピンチで、かなりの確率で全滅なんだけれども、不思議と作中からはそれを一切感じず、比較的かるーい感じで、見てる方にもほとんどプレッシャーを与えていなかった。
パイロットにもミサトさんにも悲壮感は一切なかった。
これはいったい何だろう……。
もし改めて見た人がいれば同じ感想を得るのではないか、アニメ版12話には圧倒的に悲壮感が足りない。それに、劇場版と違って、あっさり決着している。だけれども、劇場版「破」では最もかっこいいシーンであり、このシーンが生き残ってることを考えるとここはやはり、アニメ版でも非常に大切な話なはずなのだ。
実際アニメ版の時点で、エヴァが高架電線を飛び越える様は、12話までのエヴァでも第6話に次ぐかそれ以上のかっこいいシーンであり、これを庵野監督が見せたかったんだろうなあというのは想像に難くない。
「破」ではそれ以上にかっこいいシーンに仕上がっており、あそこだけでも破は最高だと思う。まあ、その辺は新劇場版の時に話そう。
話がずれたが、悲壮感のなさについて社会学的に分析したい。
サハクイェルの落下とはバブル崩壊ではないだろうか。
俺の中でミサトとはバブル世代の権化である。(ついでに加持も、だってあいつ100%トレンディドラマ俳優じゃん、鎌田敏夫の脚本に出てくる男じゃん)
ミサトはサハクイエルの落下に対してだいぶ、のん気である。まるで、結局自分は死なないと思ってるようだ。これはバブル崩壊後のジュリアナブームに近いものがある、バブルは崩壊しただからと言って、そこに何かできるわけでもないし、とりあえず自分たちの安全は確保されている。とりあえず踊っておけという具合である。
現実を直視せずに保留する。(浦部か!)
これはまさにバブル崩壊後の日本の雰囲気であったのではないか。
バブルは崩壊したけれど取った政策が、住専問題である(覚えてるだろうか)
保留、保留、保留に次ぐ保留である。
保留の結果が失われた20年であり、被害を受けたのはいったい誰なのか、それには一切目をつぶりつづけてきた。
象徴する出来事が12話の最後である、
、
ミサトたちが崩壊後も幻想の金持ち日本を求めてる一方、シンジたちは現実を見つめてる。
もっと言えばミサトのわけのわからない作戦に振り回されて、それを黙って受け入れてしたがって、成果を出すにもかかわらず、多くの報酬を求めないというシンジたちの姿が、1995年にしてこれからの日本を暗示していた(バブルと団塊に蹂躙される子供たちである)ようにも映って仕方なく見えるのは、さすがに俺の考えすぎなのだろうか。
このシンジ達を見ると、同世代で上の世代に摩耗されてる人たちや、ゆとり世代と言われ馬鹿にされる下の世代を考えて、非常に切ない気持ちになってしまう。
はたして本当のゆとり世代は誰なのだろうか。
バブル世代+団塊世代へ次ぐ、僕たちエヴァ世代は実はこう思ってるぞ。心にナイフを持っている、しかし、さびたナイフを。
もっと下の世代は違うからな、あいつらは銃を持っている。しかし、それも空砲に過ぎないのだが。
そろそろ、錆を落とし、実弾を込めなければなるまい。
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