64 人間観察が趣味の俺が、中途採用された女性社員を観察してみたら。 怜様

 限界です(唐突)。
























 いや違うんです。決してもう疲れて読むのを投げだしたいとか、終わる予感がしないから疾走したいとか、好みの物語になかなか出会えないから拗ねてるとかじゃないんです(本当にそういうわけではない)


 じゃあ限界なのはどこかって?


 はは















 首と肩ですよ!(ゴリっビキッ)


 パソコン業務が格段に増えたことに加えて、自宅でもパソコンでひたすら感想を打ち込む作業。


 背中を丸めて足を投げ出して頭の位置を低くすることにより、少しだけ首の痛みを緩和する必殺技を編み出しましたが、限界はあります。


 今日はもう感想を書けて、もう一話くらいかもしれません。


 後は……頼んだぞ……














 ↑誰にだよ





 人間観察が趣味の俺が、中途採用の女性社員を観察してみたら。 怜様


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894099871


 二十三歳の会社員、秋崎伴也は、長身で釣り目。趣味は人間観察の、どこにでもいる、ちょっぴり控えめな男だ。


 誰も知らされていない中、彼の働く会社に、中途採用の女性社員がやってきた。


 宇佐美という小柄で口数の少ない女性社員だった。人間関係を作るのは苦手な様子で、控えめでおどおどした様子すら感じさせる。


 どこにでもいるような地味な社員。


 けど、彼女を観察していると、一癖も二癖もある様子がわかってきて。


 観察から始まる恋は。


 おそらく慎重で、ゆっくりとしている。





 人間観察が趣味という秋崎の一人称で物語は始まりますが、雰囲気がいいですねえ。


 主人公の性格が出ている描写の細やかさは、物語の雰囲気にとてもあっている。


 服装を描写する時って、ヒーローやヒロインのものであるならば、おそらく魅力的に見えるものをあえて描写するはずだ。


 けど、空想の中でもリアルに寄っている感じのするこの物語では、違和感も含めて描写をしています。


 夏なのに長袖長ズボンで、脱いだ後も半袖のシャツでなくて長袖のものを着ている。


 仕事中に文章の打ち方を教えて欲しいと宇佐美から質問があったのだが、仕事の文章で使うとは考えづらい「うぉ」とか「わぁ」とかの打ち方を教えて欲しいとのこと。


 相手の行動、服装、反応、言葉のトーンや性格傾向など、きちんと観察を行っているからこそ、物事に浮かび上がる見逃してしまいがちな違和感に気が付きます。


 この細やかさは、とても性格が表されていてキャラクターの生育歴や受けていた影響など、背景を想像させるとてもいいものです。


 豪胆で女王様的な気質の姉をもったことで、虐げられてきたり好き勝手命令されたりと、自分自身の自由をあまり受けられずに育ってきた様子の秋崎。


 育ってきた環境から、得られた経験から、たどり着いた思考の結論から、とても自然な秋崎像が思い浮かんできて、割と地の文が多めで長いにも関わらず、スラスラと読めましたね。





 新入社員の宇佐美は、見た目だけであれば小柄で地味で控えめな、ちょっと可愛い新入社員です。


 突出した魅力は特にないような感じですが、細やかなところまで目を配る秋崎は気づきます。


 珍しいアーガイル柄の傘に気づき尋ねると、妹に買ってもらったんだと。彼女には妹がいて、おそらく仲良くやっているんじゃないかという背景が見えます。


 控えめでおどおどしたような感じは、過去に何か大きなミスをしてしまって、その経験が彼女の積極性を奪っているんじゃないかという推測。


 小走りで走る姿の真意は、他の人においていかれないように、少しでも早く仕事を片付けようとする、彼女なりのがんばりなんじゃないだろうか。


 条件を変えることで人の行動が変わることについて研究する学問は、行動心理学だったと思いますが、別に心理学という学問に頼らなくとも、きちんと彼女のことを見ていると、彼女という人間の個性が見えてくるものです。


 秋崎はどちらかという人間関係が下手ではないけど、少し不器用な感じがします。突出した何かを自分に見いだせないが故の、自信のなさのようなものを感じます。


 恋愛にしろバディものにしろ、2人の性格や身体的特徴などを真逆に設定する、凸凹といった手法で魅せることが、物語上多い気がします。


 鮮やかなコントラストを描きますからね。濃淡とか、ふり幅とか、アンバランスさとか。


 その点、この物語の中の二人は、どこか似たような雰囲気を感じる。身長差はありますが、お互いの心の形はそんなに違わないのかもしれない。


 今はまだ、不器用で恋とも呼べないようなつながりですが、そのゆったりとした日常的な様子が、逆にしっくりきます。


 波風のあまり立たない、ドラマチックというにはささやかすぎる恋模様。


 スロースタートで


 スローモーションで





 スロープスタイルで←ここでボケるな


 一歩どころか半歩ずつ進むような恋模様、私はけっこう好きになりました。





 約231万7千





 これは本編とは全く関係のない話なんですが←いつものこと







 なんとなく作者様自身にすごく細やかさと控えめさを感じる……


 履歴書やら書いた文章やらって、やっぱり性格が出るんですよ。パソコンの文字ですらそうなのですから、履歴書の字なんかだとモロですよね。


 やる気のあるなしが履歴書でわかる。やる気なくてとりあえず仕方なしにきたんだなって感じだとアピールポイントが適当だったり、そもそも書いてなかったりする。


 全部の文字がきっちり同じ場所に収まっているような人には、神経質さを感じる。質問内容も細かかったり、本質とは違った部分にこだわったりなどなど。


 というか、小説の文章できっちりと細部までン描写するタイプの方って、なんとなくささやかで控えめな性格傾向を感じる。


 逆にある程度適当でバシッとストレートに書けるタイプの人は、豪胆で大胆な性格をしている感じがする。


 たとえなど美麗な表現を乱発する人はこだわりの強さと純粋への強いあこがれのようなものを感じる。主観ですけど。


 まあでも、だからこそ人間っておもしろいですね。


 多様性があるからこそ、同じ物語など一つもないのでしょうから。


 今のところこのような繊細さや細やかさの光る物語は見られなかったので、いい気分転換にもなりました。


 ありがとうございました。








 ↓お前の性格はどうなんだよ















 変態。

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