デパートのインテリア・フェアで見たことがあるんですが、木箱(材は多分、桐だとかそういう割と軽いもの)にデコラティブな布を貼って、更にレースやらスパンコールやらといった装飾を施したもの、それを収納兼チェストとして販売してました。とってもきれいで、見た目の割に軽くていいなあと思ったのですが、お値段だけが軽くありませんでした(TдT)
こちらの材はクルミということで、それだとかなり重いからどんなお宝が入っていたとしてもそう簡単には盗めないだろうなあ。でも、長年使っていたら、艶が出ていい感じになるだろうなあ。そうそう、日本の場合、虫除け効果があるからと材として楠(クスノキ・樟脳)が使われたりすることもあったみたいです。西洋では布の虫食い対策は何かしてたのかしら。それとも乾燥してるからあんまり虫食い被害はないとか??
作者からの返信
木製だと高そうですよね。こちらは博物館で見ましたが、意外と小さかったような。あまり重そうな感じはしなかったです。保存状態がよければ彩色も残っています。
盗む場合は、合鍵などで開けて中身だけかっさらっていきますw
そういえば、虫食いなんて考えたことなかった。どうだったんでしょうね。
私は衣替えの習慣がなくて衣類は年中クローゼットの中でグチャグチャなんですが、虫食いの被害に遭ったことはないですね……いないのか? でも湿気はそれなりにあります。新たな視点を与えて下さり、ありがとうございます☆
依頼の量や材質は洗濯方法も関係ありそうですね。
石に置いて棍棒で叩いたり、桶に入れて足で揉んだりと、うーん今回も興味深い内容です。
あと、ハゲを帽子で隠すのは古今東西変わらないんですね。
作者からの返信
叩いたり踏んだり、すぐに生地がだめになりそうですね。裕福な家庭がシャツを数十枚所持しているのは仰る通りそれが理由かもしれません。さらに当時は洗濯に灰汁を使い、生地が傷むので、人々はなるべく洗濯を先延ばしにしたようです。
髪の毛がないと寒いらしいですからね。肖像画では禿げを隠すのが好まれたようです。甲冑を着ているのに頭だけは不自然に布の帽子をかぶっている壮年の男性の肖像画を見ると「あっ……(察し)」となります(T_T)
編集済
みなさんのコメントを見ても“なるほど!”と、思うのですがそれ以外に、
「長さ約7メートル半の黒いベルベットの帯」
長くね?
「幅約4メートルの白い布」
幅がってことは長さはもっとあるの? 八畳間でも広げられないような……。
とか。
あと、「角形の石鹸 9個」
うーん、角形って、まだ使ってない新品だぜ! ってことかな?
でも、ここまで流れは武器の話だったのに何故? それに石鹸9個とか数えるぐらいならクロウスボで使う「矢」には触れないのかなとも思ったり。
何にしてもニコロさんの方、遺産目録なのに個人の持ち物にしてはようわからんところあるよね。
この時代の、“目録に載せるべき内容”の問題だったのかも知れない? なんて。
追伸
返信読みました。ありがとうございます。
埋葬された時に着ていた服は、あの世に持って行くので相続されないということでしょう。
作者からの返信
長いですね(笑)。
仕立てる前の布かなとも思ったのですが、「帯」はリボン状の長いものを意味する striscia という語が使われているので、そうではなさそうです。
1つの可能性としては、15世紀に流行したカップッチョ用の布かもしれません。カップッチョとは図の中央向かって左側の男性がかぶっている赤い帽子で、布をターバンみたいにぐるぐる巻いて頭の上に盛り上げます。
https://it.wikipedia.org/wiki/Guarigione_dello_storpio_e_resurrezione_di_Tabita#/media/File:Cappella_brancacci,_Guarigione_dello_storpio_e_resurrezione_di_Tabita_(restaurato),_Masolino.jpg
インドのターバン用の布が10mくらいあるそうですし、カップッチョは布の端を肩に長く垂らしたりもするので7m半、いけるんじゃないかと。想像ですが。
でも、この帽子はニコロの時代である16世紀にはすでに廃れていたと言われているんです(地域によっては残っていたのかもしれません)。
何でしょうね? 腰に巻いていたのでないのは確かです。
「幅約4メートルの白い布」! これはですね、完全に私の翻訳のミスです。原文では
sette braccia di bisello bianco nuovo
となっていまして、意味は
「約4メートルの新品の白い bisello」
です。
bisello が何を指すのか分からず保留にしていたのですが、ボンヤリしてて「布」にしてしまい、チェックもせずに投稿してしまったみたいです。お恥ずかしい…… コメントを頂いたおかげで気づくことができました、ありがとうございます。意味が分かるまで保留ということで、問題の箇所はこそっと削除しておきます!m(_ _)m
bisello は「角を面取りしたあとの斜面」を意味する名詞らしいのですが、ここではそれだと意味が通じないんですよね…… 武器と一緒に入っていたからには武器か、もしくは面取りをする工具の一種かと想像していますが、うーん、分かりません。
石鹸が「貴重品」の箱に入っていていた理由ですが、当時の石鹸は独特の臭いがしたらしく、臭いが移るのを防ぐために布類とは別にしておいたのかなと想像しています。(この箱にも衣類は入っていますが)
今回参考にした資料には衣類しか引用されていなかったので、他の持ち物についてはわからないんです。遺産目録ですから家や土地、食器、家具などもあったと思います。
まあ衣類についても、本人が今着ている服(この場合は着て埋葬された服?)は目録に載せないのが通例だったらしく、これで所持品のすべてが分かるかというとそうでもなさそうです^^;
西洋は水が貴重なイメージが強くそこまで洗濯もしなかっただろうなとか、汚物をなげっぱなしだったり、体臭を香水でごまかしたりもしていたので服の臭いも現代ほど問題にならず汚れっぱなしの着た切り雀が多かったのだろうなと勝手な想像をしています。
そうすると余所行きや結婚式などの特別な服以外は酷すぎる状態になる手前くらいまで来ていたのだろうし、庶民は服の数はそれほど必要なかったのかもしれません。
逆に上流階級はおしゃれして面子を保つみたいなところもあっただろうし、服の種類も必要悪で否が応でも増えていたのではないでしょうか。
内訳は妻のブラウスと女物のブラウスが別だったり、何やら面白い感じがします。
あと下着とかないけど、どうだったのでしょうね?
謎名称の衣類は現代でも同じ服でもズボンだのパンツだのアパレル業界が名称をこねくり回しているので、別枠扱いされるくらいちゃんとしたものだが普通にありそうな衣類だったりするのかもしれません。
作者からの返信
水が貴重だったほか、当時は汚れを落とすために灰汁やら粘土やらを使っていたので、生地が痛むせいもあって洗濯は敬遠される傾向があったようです。素材や形状によってはそもそも洗えない衣服もあっただろうと想像します。
シャツやブラウスはリネン製で丈夫なせいか割と頻繁に洗濯されました。裕福な家では消耗品として多めに所持していた印象です。一方で貧乏のどん底にいる人はたった1枚を洗わずに何ヶ月も着続けました。どんな状態になったかあまり想像したくないですよね……
内訳の書き方は不思議ですね。もしかしたら女性が家族の中に複数いて書き分けたのかもしれません。
男性用のパンツは普及していたはずですが、それ以前の中世でのノーパンの歴史が長かったせいか「必ず穿かなければいけない」認識ではなかったらしく、あったりなかったりです。穿きたければ穿く、というフリーダムな世界だったのかもしれませんw
女性の下着については多くのことがまだ分かっていません。繊維の分解が早くてめったに出土しないのと、男性がパンツを穿いている場面の細密画はあるのに女性の場合はそれがなく、女性はそもそもパンツを穿いていなかったのではないか、とさえ言われているようです。エレオノーラ・ディ・トレドの墓から発掘された衣類の論文でもパンツについては言及がありませんでした。
一般的にはブラが一体になったシュミーズのような下着をつけていたと推測されていますが、発見されてもボロボロなので判別が難しいらしいです。
謎名称、ほんとうに厄介です……ふぁさまが仰るとおり、実はよくある衣服だったというオチのような気がします^^;
中世でも上流階級はたくさんの服を持っていたんですねえ
最近はもう服を買うことすらあまりなく、よく考えたら20年以上前にユニクロで買った服をまだ着てるなあ、と今思い出しましたw そのころのユニクロ長持ちしすぎですねw
それから櫃の話ですけど、櫃に腰掛けてうぶな若者を誘惑する話。
どう考えても人妻(アレッサンドラ)に誘惑されるミケの図、を想像してしまいました!
ハハハ、もう刷り込みですね。
作者からの返信
ユニクロが20年前からあったことにショックを隠し切れませんw もっと新しいイメージでしたが、そうですよね……そういえばありましたよね……orz
変な刷り込みをしてしまい申し訳ございませんm(_ _)m(笑)でもこの女、彼が帰ろうとすると
「主人は不在ですが、どうぞ夕食を食べていって下さい」
とか言って引き留めようとするんですよ。素性が明かされないので言ってることがどこまで事実か分からないんですが、もしかしたら本当に人妻だったかもしれません。
若者の運命やいかに……((((;゚д゚))))
現代はまさに衣食飽和時代。何なら毎日違う服を着る、なんて人もいるくらい。
佐月的には洗濯物が多くなるので出来るだけ着回し推奨ですが、当時の人たちは、また違う理由で着回していたのですね。
櫃は今で言う収納ボックス(笑)
透明かそうじゃないかの違いだけで、今も昔も横置きボックスは大活躍ですね。
クローゼットやハンガーを考えた人って凄いw
作者からの返信
わかります。私は1回着たくらいでは洗濯しません(笑)
着回そうにも、今着ている服の他に何も持っていない、という人もいたみたいです。
ほんと、吊るして収納することをどうしてもっと早く考えつかなかったんでしょうね? と服を畳むのが嫌いな私は思ってしまいます。
その都度箱から出し入れするのは面倒ですよね。まあ脱いだらそのへんにかけておいたのだと思いますが、ズボラな人は箱の中もグチャグチャだったでしょうねえ´ω`
今回も濃厚でコメントの打ちがいのあるエピソードです。
数百年前の生活を想像させるタンスの中身。その中にあった「男物のスコッフィオッティ(何のことか不明)」に興味津々です☆
「スコッフィ」はスコットランド系……? それならScottyと思いながら、「オッティ」はOttimoの最高という意味の略?
などなど考察しましたw たしかに不明ですよね!
ottiはテルグ語で「気軽に」的な意味だった気がするので、そこも関係しているのかな~っと妄想しました♪
作者からの返信
テ、テルグ語ですか!(><) 聞いたことがなかったのですがインドの方の言語なんですね。なんかヨーロッパの言語と響きが似ているところが面白いです。
接尾辞 -otto は「ちょっと大きい」「拡大した」などの意味なので scoffiottiは「ちょっと大きい scoffio」の複数形ではないか? などと思いましたが、肝心の scoffio の意味が分からずお手上げでしたw
フィレンツェの方言ならメジャーな辞書にある程度載っているのですが、他の地方の昔の言葉だったりするともう手も足も出ません。
…と真面目に考察しましたが、実はなんかエロいアイテムとかだったらどうしましょう(笑)
櫃の中身、勉強になります~っ!!(*´▽`*)
以前、橋本様もお読みくださった「銀は血に濡れて」で、妹が行方不明の兄の櫃の中を家探しするシーンを書きいた時に、あちらは古代ローマ時代ですけど、櫃の中に何を入れるか、すごく思い悩んだことを思いだしました……(*ノωノ)
貴重品の中に、石鹸が含まれるのですね!Σ( ゚Д゚)
そして、ナプキン60枚って! かなり多いなと思います。
お客様用なのでしょうか……?
作者からの返信
ウィリウスの家を捜索するシーン、何が出てくるかと作中でもハイライトの場面でしたね! 家探しは書くのも読むのも楽しいです。綾束さまの作品は細部も詳しく書かれていて凄いなあと思いながら読んでます。
おっしゃる通りリネン類はとにかく枚数が多いです。お客が何十人もくるパーティをこの家でやっていたとは思えないのですが、洗濯の頻度が多くなかったので多めに用意していたということも考えられますね。他の家の例では、鼻をかむための布80枚なんていう記録もあります^^;(もちろん洗って繰り返し使っていましたw)
石鹸……貴重品なんでしょうかね?w 大量生産されるようになる前なので安くはなかったでしょうが、貴重品というほどでもなさそうですよね……
テーブルクロス17枚も入ってなお余裕があるってすごくないですか!?
今、家の大片付け&模様替え中なので興味津々です。
座れる収納、いいですよね~。
作者からの返信
確かに、テーブルクロスの他にマントも12枚入ってますね! かなりの大きさだったのかも。現代まで残っていてよく見かけるタイプものはそんなに大きくないので、どうしてそんなにたくさんのものを入れることができたのかはよく分からないのですが……。
座れる収納、私も欲しいです~。