創作に使えるイタリア語

 最近、『創作者のためのドイツ語ネーミング辞典: ドイツの伝説から人名、文化まで』という本が出ると知りました(興味のある方はぐぐって下さい)。


 ドイツ語はかっこいい。有名なクーゲルシュライバー(ボールペン)を筆頭に名詞はもちろん固有名詞もかっこいい。


 クールな響きをもつドイツ語単語と私の最初の出会いは、とある展覧会でティルマン・リーメンシュナイダーという15世紀ドイツ生まれの彫刻家を知ったときだった。


 えらくかっこいい名前ではないか。


 さらに、リーメンシュナイダーには逮捕されて拷問で利き腕を折られ彫刻家生命を絶たれたという言い伝えがあるそうで、名前が美しいばかりか何とドラマチックで厨二心を煽る経歴の持ち主かとご本人には大変に申し訳ないけれど感慨にふけってしまった思い出がある。


 ではイタリア語はどうか?


「厨二用語集」で検索すると英語やドイツ語、フランス語由来の単語がよく登場し、イタリア語の単語はあまり出てこない。


 確かに、カタカナで表記を試みるとやたら文字数を使うし、なんだかもっさりしたイメージになってしまう単語がイタリア語には多い。


 筆者はドイツ語に無知なのでクーゲルシュライバーがどのくらい日常的な単語なのか不明にして知らないのだが、イタリア語でボールペンは単にペンを意味する「ペンナ」を用いることが多い。かっこよさで言えばクーゲルシュライバーとペンナの間には天と地の隔たりがある。(あえてペンと言いたければペンナ・ア・スフェーラというらしい)


 加えて、可愛らしい語が多いことも敬遠される要因と思う。ダークに決めたいときにイタリア語に多いニャ、ニョ、パ、ピ、プ、ペ、ポを含む可愛い単語が炸裂したら台無しになるのはわかる。


 ではイタリア語はマンガ、アニメ、ゲーム、ラノベに向かないのだろうか? いや、決してそんなことはない。かっこいい響きの単語だってあるのだ。


 そこで服飾編の途中だけれど、今回はかっこいいと私が思うイタリア語の単語(他言語由来の語を含む)を趣味全開でピックアップしてみました(※)。



【キリスト教】

・インフェルノ inferno 地獄

・パラディーゾ paradiso 天国

・プルガトリオ purgatorio 煉獄

・ディオ Dio 神

・ディアヴォロ diavolo 悪魔

・スピリト spirito 精霊

・クレアトーレ creatore 創造主

・サルヴァトーレ Salvatore 救世主

・エレジア eresia 異端

・ドグマ dogma 教義

・アルカンジェロ arcangelo 大天使

・ロザリオ rosario 数珠

・テオロジア teologia 神学

・セラフィーノ serafino 熾天使、セラフィム

・ケルビーノ cherubino 智天使、ケルビム

・カルディナーレ cardinale 枢機卿

・クローチェ croce 十字架


【神話・伝承】

・ラビリント labirinto 迷宮

・ファンタズマ fantasma 亡霊

・ストレーガ strega 魔女


【自然】

・ルーチェ luce 光

・フィアンマ fiamma 炎

・テンペスタ tempesta 嵐、暴風雨

・ノッテ notte 夜

・ステッラ stella 星

・チエロ cielo 空

・ヴェント vento 風

・ネーヴェ neve 雪

・グランディネ grandine 雹


【職業】

・アルキテット architetto 建築家

・アルキミスタ alchimista 錬金術師

・ナヴィガトーレ navigatore 航海者

・カヴァリエーレ cavaliere 騎士

・カルツォライオ calzolaio 靴職人


【天文】

・ヴィア ラッテア Via Lattea 天の河銀河

・アウローラ aurora オーロラ、暁

・コロナ corona 太陽コロナ

・アストロフィジカ astrofisica 天体物理学

・アストロノミア astronomia 天文学

・スーペルノヴァ supernova 超新星

・ソーレ sole 太陽

・ルナ luna 月

・テッラ Terra 地球

・ヴェネレ Venere 金星

・マルテ Marte 火星

・メルクリオ Mercurio 水星

・ジョヴェ Giove 木星

・サトゥルノ Saturno 土星

・ウラノ Urano 天王星

・ネットゥーノ Nettuno 海王星

・プルトーネ Plutone 冥王星


【色】

・ロッソ rosso 赤

・ビアンコ bianco 白

・ネーロ nero 黒

・ヴィオラ viola 紫

・ヴェルデ verde 緑

・ジャッロ giallo 黄

・ローザ rosa バラ色

・アズーロ azzurro 青

・チェレステ celeste 空色

・オーロ oro 金

・アルジェント argento 銀

・キアロ chiaro 明るい

・スクーロ scuro 暗い


【宝石】

・ディアマンテ diamante ダイヤモンド

・ルビーノ rubino ルビー

・ザフィロ zaffiro サファイア

・ズメラルド smeraldo エメラルド

・ジャダ giada 翡翠

・アメティスタ ametista アメジスト

・ディアスプロ diaspro ジャスパー


【道具】

・セラトゥーラ serratura 錠前

・ピアノフォルテ pianoforte ピアノ

・ヴィオリーノ violino バイオリン

・キタッラ chitarra ギター

・アトゥランテ atlante 地図帳

・スティヴァーリ stivali ブーツ

・カルツァトゥーラ calzatura 靴など履き物全般

・スクデット scudetto 小さな盾型の腕章


【戦闘】

・スパラトリア sparatoria 銃撃戦

・アルマ arma 武器、銃

・アルマトゥーラ armatura 甲冑

・ソルダート soldato 兵

・スパーダ spada 剣

・スクード scudo 盾

・ミリツィア milizia 軍隊


【通貨単位】

・フィオリーノ fiorino フィレンツェの古い金貨

・ドゥカート ducato ヴェネツィアの古い金貨


【その他】

・イロニア ironia 皮肉

・スパッツァトゥーラ spazzatura ごみ

・カヴィーリャ caviglia くるぶし

・ストロフィナーレ strofinare 磨く

・ヌッラ nulla 虚無

・エピデミア epidemia 疫病

・スタンゲッタ stanghetta 鉄の足枷を血が止まるほどきつくはめて壊疽を起こさせる拷問

・ディアフランマ diaframma 横隔膜

・アヴァンティ クリスト Avanti Cristo 紀元前

・リオン ロッソ Lion Rosso 赤い獅子(フィレンツェの地区の歴史的名称)

・リオン ネーロ Lion Nero 黒い獅子(フィレンツェの地区の歴史的名称)

・グラヴィダンツァ gravidanza 妊娠

・ソリトゥーディネ solitudine 孤独

・ディスグラツィア disgrazia 不運、災い

・トルメント tormento 苦悩

・グラツィア grazia 優美

・テオリア teoria 理論

・スペランツァ speranza 希望

・ジュスティツィア giustizia 正義

・ドゥカ duca 公爵

・アムネジア amnesia 記憶喪失

・アルモニア armonia ハーモニー

・ヴェローチェ veloce 早い

・レント lento 遅い

・リマ rima 韻

・ヴィルトゥ virtù 徳

・デスティーノ destino 運命



 というわけで中世とは関連が薄いけれど創作に使えそうなイタリア語を挙げてみました。伝説の武器やキャラや必殺技のネーミングにいかがだろうか。



※カタカナでの表記には議論がありますが、かっこよさがテーマということで響きを優先し、二重子音やアクセントは適時省略しました。


※人名については別の機会を設けたいので除いてあります。

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