第4話

「俺、風邪ひいたみたいなんだよね」

だからあんなに咳き込んでたのか。

「駅まで送るから帰ってくれない?」

この時間に?まじかよ...。

「うん、お大事にね」

「ん」

来る時はバイクに乗るのがあんなに気持ちよかったはずなのに、今は何も感じられない。脳が何も感じないように処理している。駅前のカラオケや居酒屋の看板が目に染みる。涙は1滴も出なかった。


彼とは二度と会うことは無かった。

帰っても待っているのは山積みの洗濯物と冷たい寝床だけだった。


翌日の午後、案の定風邪をひいた。あれだけ体液を交換してひかない方が馬鹿だ。どっちにしろ私は馬鹿だった。会社は休まなかった。

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空虚 @shrimpy

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