大好きなあなたへ

向日葵

第1話 わたしという人間

わたしは、どこにでもいるような、普通の人間。

お仕事して、お給料貰って、休日は遊んだりグダッたり。

家族もいる、友達もいる、恋愛も人並みにしてきた。

好奇心旺盛で、ちょっと甘えん坊で、ツボが浅くてよく笑う、泣き虫だけど強がりな性格、

それが、わたし。


わたしには、密かな趣味がある。

公にすると、同性から引かれてしまうおそれがあるから、あまり周りには言っていない。

最近、趣味に費やす時間が取れず、楽しめていない。

だから、といっては何だが、趣味に関する動画を良く観るようになった。

「ホント、検索すれば一発で出てくるんだから.....便利な世の中になったよねぇ」

いつもの癖で独り言を呟きながら、今日もまた、検索してヒットした動画を観るわたし。


「.....あれ?何だこれ。新しいのヒットしたぞ。観てみよっと♪」

それは、わたしがいつか、時間とお金があったらしてみたい、と思っていた“とあること”を、している人の動画だった。


「おぉ、すごいすごい!」

「へぇー、こんな感じなんだー」

いつものように、独り言を言いながら動画を観ていたのだけど。

途中から、黙り込んでしまった。


「.....に、行きたいと思うんですけどー」

「ぉ、これはすごいぞ、ワクワクしますね」


動画のは、カメラを自分で回して、自撮りしたりもしながら、視聴者に向けて分かりやすく話している。

時々ツッコミが入ったり、慌て者なのかドジやったりしているけど。


そんなことはどうでもよかった。

内容なんて、途中から頭に入って来てない。


優しい眼差し。

人懐っこい笑顔。

良く通る、少し高くて優しい声。


気がついたら、魅かれていた。


そう、は、

あなただった。

わたしが初めて、画面越しに、

あなたを見つけたあの日。


あの日から、

わたしの恋が、

始まった。












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大好きなあなたへ 向日葵 @himawari-1205

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