確かな筆力で描かれる助産師のリアル!
まずはそれを、本作の魅力の1つとして挙げさせて頂きます。
皆さま、まずは第二章の東京編まで読んでみましょう。
とりあえず私は、助産師(というか、お産全般に関わるお仕事の方)の皆さまや、お産に臨む、あるいは臨んだお母さま方に尊敬の念を抱かずにはいられませんでした……。
お産に直接関わるシーンのみでなく、助産師を囲む労働環境や病院側の事情も細かに描写されており、ストーリーを楽しみつつ勉強にもなります。
ついでに「あぁ、確かにこんな感じの記録が雑な看護師さんor不機嫌なお医者様いるわ!」みたいな、病院あるある(?)も描かれているので、介護施設や病院で働いた経験のある方なら思わずクスッとしてしまうかも知れない場面も?
もちろん、異世界ファンタジーとしての読みごたえも十分!
魔法や世界観に関する設定がよく考えられている上、各キャラクターの心の動きも丁寧に描かれているため、物語への没入感がすごいのです。
悪役として登場するヒロインの心情などもガッツリ描かれるので、私なんぞは思わず悪役側を応援してしまうこともありました笑
他では見られない、新感覚の異世界ファンタジーを、皆様もぜひ!
この物語の今後を、一緒に見届けましょう!!
現在、第3章が始まったところです。
この物語は序章、第1章が魔法の存在する世界アレスティア、第2章が東京、第3章で再びアレスティア、と舞台を変えていきます。
ヒロインのリュクスは魔法士最強の長ーーしかし、聖女に裏切られ、守り続けたアレスティア帝国は天空から墜落してしまいます。
それだけでもスリリングなのに、リュクスというヒロインの造形が、とてもリアル。
魔女=異世界のどこか現実離れした存在 ではないのが、素晴らしいところです。
彼女は自然に造詣が深く、薬草を知り、人々の出産も助ける知恵と技術を持っています。
そんな彼女が東京で助産師になるのも、ある意味自然な流れに感じられるのです。
作者の高瀬さくらさんは長編物語を鮮やかにまとめ上げていく方。
今後の展開から目が離せません。
聖女の裏切りの動機は?
リュクスの過去は?
どのイケメン様と結ばれるの?
そんな読者の興味を惹きつけながら、予想外の物語を展開していきます。
私は、リュクスが何を実現していくのかに注目しています。
高瀬作品に登場するヒロインは苦悩しつつも、決して目標を実現するのを諦めません。
ドキドキしながら、リュクスを追いかけようと思います。
医療に興味のある方は必見です! 19話、20話は助産師目線での双子の出産シーン。もの凄くリアルなお産のシーンと病院事情を描いた、滅多に見ることができない貴重な小説です。(赤ちゃんはネジのように回転しながら産まれてくるとか、とても詳しい!)
女性だけでなく、世の男性も必見!!
著者の筆力、創造能力は極めて高く、作家としての勉強にもなります。
さらに、本作のヒロインは何とあのリディアの娘さん!「リディアの魔法学講座」他参照
ヒロインは最強の魔法使い。東京で助産師となり、その後魔法世界に戻ります。
恋愛・ファンタジー・仕事・ミステリー、いろいろな要素を含んだ、斬新で最高の教養/エンターテイメントです。
まだ序章から少し進んだところですが、ただのファンタジー小説ではありません。
魔法士の若き長リュクスが召喚した聖女に裏切られるところから始まり、現代東京へ転移後に助産師として働いているところへ繋がります。
かなりリアルに緻密に描かれる情景は、まるで異色の医療ドラマのようです。異世界と現代が主人公リュクスの中で交錯し、葛藤している様子は異世界ものでありながら大人もハマる要素が満載です。
これから先、裏切り者の聖女や、彼女を取り巻く異世界の男性たちがどのようにからんでくるのかが非常に楽しみです。
長編になりそうなこの物語、今から追っかけて行きませんか?
きっと名作になる予感がすると思います!